戦前戦中を歩む
まえがき
第1部
<編集>との幼い出会い
『日本少年』への傾倒
映画からの衝撃
「文学少年」時代
最初の選択
選択の自主性とは
読書論と読書
二つの文学入門誌
文学少年の頃
模倣について
生い立ち
模倣について(1)
模倣について(2)
文学的想像力について
文学遍歴-その1
文学遍歴-その2
二つのタイプ-<文学的>と<非文学的>
想像力のはたらき
ノン・フィクションの世界へ
幼い印象
図書館がよい
<無宗教的>な境地で
雑読・乱読時代
三木清の言葉
読書の可塑性
雑読の無駄
雑読からの脱却
歩み出した道-三つの出会い
『種蒔く人』
『金』
ゴルズワージー
ふたたび映画に触れて
「にわか」勉強
「ブルーバード」への陶酔
「憐みの心」
バートランド・ラッセル-『社会改造の原理』を読んだ頃
『社会改造の原理』から何を得たか
訳者松本悟朗のこと
改造社、ラッセルを招く
アンウィンのたたかい
「青春自画像」
五高への進学
出会い
後日の縁
勉学の系譜
社会思想研究会へ入らなかったわけ
英語の勉強-「エヴリマン」叢書との出会い
ディケンズへの回帰
徴兵検査まで
『資本主義と社会主義』
小泉信三を読む
「甲種合格」の宣告
バラックの東京へ
大学の門
講義を聴く-美濃部教授の想い出
「転進」
神保町の魅力
築地小劇場
レーゼドラマの時代
築地小劇場の開演
舞台にひきつけられて
「ヒンケマン」と「夜」と
河合教授との出会い
ギルド社会主義にひかれる
大内・矢内原の講義を聴く
河合ゼミナールへ
東中野時代
隔離病舎の三カ月
啄木の歌
四迷荘
原書を読む-ホブハウスとボルハルト
レストラン<鉢の木>にて
L・T・ホブハウスを読む
ボルハルトから学んだもの
河合演習(ゼミナール)の中で
<河合山脈>
俵石閣の一夜
フォイエルバッハ・テーゼを読む
演習レポート「唯物史観」
就職の決意
出版の仕事を選ぶまで
一九二七年という年
本郷弓町というところ
第2部
日本評論社前史
入社に臨んで
前史の一-茅原華山
前史の二-出版書目あれこれ
新人・鈴木利貞の登場
生い立ちと志向
『経済往来』の創刊
東大アカデミズムを狙って-『社会経済体系』
編集部の人びと
校正の「神様」
『経済往来』編集部
駆け出し時代
仙台への出張
「三・一五」の衝撃
続・駆け出し時代
「あなた、本屋さんが……」
大森義太郎のこと
ドイツ語との三度目の対決
円本競争の幕開けの中で
丸の内へ移る
新しい企画の前進
『明治文化全集』の実現
吉野作造との出会い
『現代法学全集』の想い出
末広巌太郎教授と会う
『現代法学全集』覚え書き
ある日の感傷
著者まわりと校正と
さまざまな著者訪問
出張校正
二つの「経済学全集」
「経済学全集」をめぐる激闘
改造社対日本評論社-マルクス経済学と右派経済学の対立
東大経済学部の内紛
左右グループの対立
人脈の微妙な混乱
二つの経験
帰郷、そして入営
「幹部候補生」志願
退社のてんまつ
途上の訊問
郷里へ
歩兵第十三連隊
一等兵として
兵営の中の読書
阿蘇山との因縁
『キリスト教の本質』
「許可」を取りつける
「蟹工船」の衝撃
風雨強まる中で
復社してみたら
再び同じ職場へ
変化した社内の雰囲気
発禁二件
ストライキへの道
従業員組合の結成
ストライキへ-消費組合との結縁
ストライキ始末記
「スキャップ」
『法律時報』編集室
大菩薩峠
退社後のアルバイト
嘱託となって
索引づくり
田中耕太郎教授のもとで
小森と尾崎
大畑書店の栄光と受難
大畑書店の創立
刊行書目の示すもの
翻訳者・大畑達雄
滝川事件
友情と死
指導者・平田良衛-プロレタリア科学研究所 その一
平田との出会い
「プロ科」への道
『農業問題』の翻訳
鉄塔書院にて
戦後の再会
『インプレコール』-プロレタリア科学研究所 その二
小椋広勝を識る
小椋の業績
『世界経済年報』の仕事
叢文閣のこと
『インプレコール』を求めて
『プロ科学』への寄稿
入党前後
最初の検挙
釈放されて
入党の誘い
秋季陸軍大演習
新しい部署
国文学者・近藤忠義
「中学の先生」
三〇年代の触れ合い
『日本文学史辞典』
プロレタリア歌人・渡辺順三
居所転々
渡辺順三との出会い
人間と歌と
歌人の検挙
古本屋・大地堂
「命がけの飛躍」
三枝博音と大塚金之助
哲学者・三枝博音
『文化の危機』
大塚教授との出会い
雑木林の中の
スパイ・Mの呪縛の中で
スパイ・Mとの出会い
スパイ・Mの正体
柴田和夫のこと
地方へ
捕われるまで
山形で経験したこと
「司法官赤化事件」
判事・福田力之助
逮捕
獄中記
監房生活
「勉強プログラム」の一-ドイツ語
「勉強プログラム」の二-ロシア語
「勉強プログラム」の三-経済学
「転向」について
「踏み絵」の前で
「転向」
「転向」とは何か
寺崎弁護士のこと
判決
第3部
再出発の起点に立って-美濃部事件
決意-市民として
決意-編集者として
不在中の出版事情
美濃部達吉博士の著書発禁
『新法学全集』その他
編集作業の日々
佐々木惣一博士
田畑助教授とのかかわり
末川博先生
戦争の嵐の中で
「秋江の水のように」
<空想部落>の周辺で
清水兄弟-清和書店のこと
栗原佑との出会い
「白草会」事件
再会・大塚先生
『日本評論』の編集者として
苦境の中の「古本探し」
「きびしさ」の中身
三枝博音との疎隔
永別
二・二六事件前後
「二・二六」の現地で
風早八十二・大河内一男
『日本憲政史大綱』の成り立ち
「学生叢書」・『学生に与ふ』顛末記
「学生叢書」の生誕
編集会議
初版『学生に与ふ』が世に出るまでと、出てからと
ホグベン、そしてマルクス
『百万人の数学』と『市民の科学』
原書出版の挿話
長谷部訳『資本論』の運命
『新経済学全集』そのほか
『新経済学全集』
東畑教授との縁
そのほかの著者たち-とくに橘樸のこと
生き残るために
『新独逸国家大系』始末記-平野義太郎との出会い
『新独逸国家大系』との結縁
一つの疑懼
風早八十二の「弔辞」
「出版新体制」の中で
「近衛新体制」
「出版懇話会」の役割
「出版新体制」へ-岩波茂雄との出会い
陸軍中佐鈴木庫三
用紙割当-そして「企業整備」-竿頭会の思い出
出版用紙割当の重圧
「企業整備」の強行
「経済雑誌」-『日本評論』の編集長として
竿頭会-土岐善麿との出会い
編集者グループの中で-付・日本出版社設立計画
日本編集者会から日本編集者協会へ
編集者協会の内部矛盾
「日本出版社」の構想
朝鮮視察団の一人として
室伏高信との因縁
室伏高信とともに
戦争と室伏
室伏の退社
強いられた余暇 その一
G・D・H・コールを翻訳する
「木曜会」の友情
同人雑誌『山彦』の発行
『山彦』受難
強いられた余暇 その二
山歩きと「本読み」
音楽と共に
終章 エレジー-真田実の戦死
若い編集者・真田実
入院-退院して再び社会へ
疎開
真田実の招集
三十九年目の確認