太平洋戦争日本海軍戦場の教訓
第1章 真珠湾攻撃
奇想天外な発想
命令系統を無視してハワイ攻撃を研究
変人山本、仙人黒島
脅して空母六隻を確保
真珠湾攻撃成功の功罪
機動部隊出撃
無線封止は破られたか
ルーズベルト陰謀説は成立しない
キンメルの怠慢
「我奇襲ニ成功セリ」
戦艦五隻撃沈の大戦果
わが方の損害は軽微
軍神九勇士
第二撃はやるべきだったか
ハワイ上陸作戦は?
舞い上がる国内
新聞に載ったホノルル特電
第2章 緒戦の進撃
日本軍を侮っていた米英
マレー進攻作戦開始
「レパルス」「プリンス・オブ・ウェールズ」撃沈
日本人の胸を打った「ノー・サンキュー」
手こずったウェーク島攻略
進攻作戦は順調に進んだが
バリ島沖海戦で「大潮」「満潮」大活躍
スラバヤ沖海戦、勇敢だった第九駆逐隊佐藤司令
米英蘭連合艦隊壊滅
バタビア沖海戦の「戦果」
緒戦勝利後のことを考えていなかった日本海軍
インド洋作戦、艦爆隊の命中率八〇%以上
索敵を軽視した日本海軍
東京初空襲―ドーリットル空襲
高射砲の弾幕を見た
米搭乗員八名が捕虜に
第3章 珊瑚海海戦
危うく敵空母に着艦
活かされなかったプロの目
「優秀」な者の使い所
勤労動員が日本海軍戦闘機隊の至宝を死なせた!?
世界初の空母対決
へっぴり腰で作戦は不成功
「戦争が下手」な井上成美
国民も海軍も奢っていた
第4章 ミッドウェー海戦
山本は攻略しなくてもいいと思っていた
ハワイ上陸作戦の第一歩だった
日本軍負けを「やり直した」図上演習
「つぎはミッドウェーだ!」
勝ってゆるんだ兜の緒
アメリカは情報をつかんでいた
米空母真珠湾を出撃
南雲機動部隊、海軍記念日に出撃
第二次K作戦中止
作戦の大前提が間違っていた
黒島の「水も漏らさぬ大構想」は絵に描いた餅
手のうちを読まれていた
直前までツキは日本軍にあった
「第二次攻撃隊ノ要アリ」
「利根」四号機、敵を発見
艦攻は雷装していなかったのではないか
正攻法を唱え後手にまわった「源田艦隊」
降ってきた米艦上爆撃機
「運命の五分間」はなかった
敢闘精神に富むアメリカ軍
日本の空母はなぜ燃えやすいのか
航空戦の指揮をとる山口多聞
「片道ありゃあ十分だ」
山口、加来「飛龍」と運命をともにする
責任者を出さない日本海軍
天皇にウソを報告
責任をとらない組織はダメになる
戦力はまだ互角だった
第5章 ソロモンの戦い
かみ合わない軍令部と連合艦隊
攻勢防御の思想を突き詰めると…
ガダルカナルに飛行場を建設
米第一海兵師団ガダルカナル上陸
第一次ソロモン海戦の大勝利
一木支隊、飛行場奪回に失敗
第二次ソロモン海戦―増援作戦の中止
日本軍が攻勢に出るチャンスだった
サボ島沖夜戦―米軍のT字戦法
米のレーダーは不安定、ここまでは対等に戦えた
ガダルカナル飛行場砲撃―完全制圧ならず
米軍は悲鳴をあげていた
ガラの悪い猛将ハルゼー登場
南太平洋海戦―敵空母を目指す彼我攻撃隊
「ホーネット」撃沈
日本機動部隊最後の勝利
圧勝できた戦いだった
ガダルカナル奪回を諦めない大本営
第三次ソロモン海戦で教訓を生かした米軍
吉川「夕立」駆逐艦長は全身闘志の塊
戦艦「比叡」の最期
日米戦艦の撃ち合い
海軍の闘志が萎えていく
第6章 後退する防衛線
米制空権下のドラム缶輸送
ルンガ沖夜戦で重巡「ノーザンプトン」を撃沈
評価の分かれる田中頼三
言いだせない「餓島」からの撤退
南東方面は全面撤退すべきだったのに…
ダンピールの悲劇
アッツ島沖海戦―腰の引けた戦い
「い」号作戦発令
山本長官機撃墜さる
防衛ラインを下げようとしていたのか?
古賀、福留の大艦巨砲コンビ登場
大相撲史上の珍事
アッツ島守備隊の玉砕
キスカ撤収作戦
「キスカの奇跡」
消耗する水雷戦隊
御前会議で「絶対国防圏」を決定
中部ソロモン最後の夜戦
「ろ」号作戦で搭乗員の半数を損耗
ブーゲンビル島沖海戦の敗北
駆逐艦のエース吉川潔戦死
すりつぶされた中小艦艇
第7章 米機動部隊の来襲
大量生産されるアメリカの空母
大量養成されるアメリカのパイロット
ハワイから大機動部隊出動
トラック、ラバウル基地壊滅
東条首相兼陸相兼軍需相が参謀総長を兼任
マリアナ防衛を早くから考えるべきだった
米機動部隊の空襲にさらされるパラオ
古賀長官の殉職
奪われた最高機密文書
第8章 マリアナ沖海戦
連合艦隊の大編制替え
連合軍のビアク島上陸
「渾」作戦―すり減る基地航空部隊
二方向で迫る敵を認識できなかった日本軍
旗艦「大鳳」にZ旗揚がる
決戦前夜の日米艦隊
アウトレンジ攻撃を仕掛けた小沢治三郎
「マリアナの七面鳥狩り」
作戦成功を確信していた小沢司令部
来襲する米艦載機
理想論に殉じた小沢
特攻兵器の開発
勝機はすでに我になし
第9章 比島沖海戦
連合艦隊司令部、慶応の日吉校舎に移転
一日で那覇市が灰燼に
台湾全島大空襲
T攻撃部隊の消耗
台湾沖航空戦、幻の「大戦果」
捷一号作戦発動
特攻は「統率の外道」
できていた特攻の筋書き
神風特攻隊の命名
レイテ作戦、二重目標設定の落とし穴
栗田艦隊旗艦「愛宕」沈没
「彗星」隊、軽空母「プリンストン」を撃沈
届かない電報、遅れる電報
瀕死の「武蔵」のそばを「大和」は遠ざかっていった
不信感の渦巻くなかで
西村艦隊の突撃、玉砕
敵を高速空母機動部隊と錯覚
なぜか「大和」の主砲は当たらない
米空母追撃を断念
関大尉の「敷島隊」、敵空母に突入
特攻により後世に日本人の気概を見せる
小沢囮艦隊からの電報、栗田司令部に届かず
栗田艦隊「運命の反転」
栗田艦隊がレイテ湾に突っ込んでいたら
「味方打チ多シ」
小沢艦隊の奮戦空し
第10章 「大和」特攻
遅れていた日本の対潜戦術
攻撃の主役は特攻に
焦土と化す日本本土
神参謀主導で決まった日本海軍最後の出撃
「一億特攻の魁になってもらいたい」
戦艦「大和」を襲う艦載機の大群
「大和」に死に花を咲かせてやりたかった
エピローグ 戦史から学ぶ
ソロモンの消耗戦が命取りだった
史料は疑ってかかる
あとがき(横山恵一)