自伝的日本海軍始末記
まえがき
第一章 反骨児、海軍へ入る
わが生い立ちの記
ヒヨコ仕官のクリ言
時代おくれの海兵教育
江田島をはなれて
第一次世界大戦おこる
くやし涙の遠洋航海
わが反骨時代はじまる
上村副長の鬱憤ばらし
御難つづきの「明石」
シベリア出兵の悲劇
大いなる迷いの果てに
まぼろしの八・八艦隊
加藤中将のくやし涙
第二章 疑いを胸中に秘めて
わが青春の思い出
大正も終わりに近く
海軍大学というところ
作戦方針に疑問あり
フランスにて思うこと
第三章 揺れ動く昭和を生きて
つわものどもの夢の跡
軍縮条約の波紋ひろがる
海軍大臣秘書官として
戦火、上海におこる
運命の糸にあやつられて
第四艦隊事件の教訓
第四章 大陸に戦火ひろがる
相つぐ不祥事の中で
政党政治の崩れ去る日
ある日の山本五十六
日米抗争激化の前夜
暴走陸軍を止め得ず
多事多難な昭和十二年
揚子江に沈んだ星条旗
ついに戦火は消えず
第五章 陸軍の横暴に抗して
軍部独裁への道ひらく
悔いを千載にのこす
明暗を分けた分岐点
急を告げる内外の動き
こじれた日独軍事同盟
くすぶりつづける禍根
第六章 世界の戦火を浴びて
戦火いよいよ拡大す
崩壊への路線きまる
恐竜と化した米経済界
高まりゆく陸軍の圧力
第七章 日本苦境に立つ
反骨精神で生きる
日米戦争はじまる
軍艦マーチひびけど
忘れえぬことども
第八章 無為無策な指揮下で
山本五十六大将死す
あゝ万骨枯れるのみ
粉飾の戦果におどる
崩れゆく日本の日日
活路を得んとして
東条内閣の最後近し
第九章 戦争の時代終焉近し
ドタン場の海軍人事
有馬正文の遺言
有名無実の防御線
戦局とみに逼迫す
極秘裏に平和へ動く
若き憂国者たちの不満
決裂した大西との密談
樹てられた暗殺計画
押し寄せてきた破局
色あせた“楠公精神”
沢本次官とのウワサ話
成算すでにゼロ!
ついに東条内閣崩る
装釘(田代廉)