戦争報道の内幕
1 不運な一族の哀れな生みの親 1854-1856
戦争人気に乗る
始まったスクープ合戦
マルタからの手紙
「見ないもの」をどう伝える
二つの報道テクニック
怒りを買った軍隊批判
ナイチンゲール登場
軍部検閲制度の始まり
最大の収穫は特派員制度の創設
2 黄金時代 1865-1914
「雄弁」より「速さ」で勝負
速報を可能にした新記事スタイル
行動派記者マギャン
世界を動かした暴露記事
戦場描写は冷静に
誇張された戦争報道
戦闘シーンを作家が書くと
ニュースを創作した男
信じることを書く勇気
日露戦争で終わった黄金時代
3 最終戦争 1914-1918
英宣伝機構の発展
禁じられた取材
官製の情報源
米人フリーランサーが活躍
従軍記者の栄光と幻滅
報道されなかったロシアの惨敗
軍お抱えの「物書き屋」
軍と記者が一体化
国民から真実を隠す
写実的な写真はご法度
宣伝活動に著名人を動員
創作された残虐物語
「うそ」がばれても…
記者が書けなかった真実とは
勇気ある軍規違反
4 アメリカの参戦 1917-1918
中立国記者の恐るべき体験
検閲官との戦い
史上まれな大宣伝活動
宣戦布告へのお膳立て
復活した検閲制度
迫真の戦記に全米が沸く
記者を操った二人の人物
検閲も度を越して
裏切られたドイツ国民
5 ボルシェビズムの治療薬は弾丸 1917-1919
事実とは無関係のロシア情報
無視された特派員の警告
レーニンの帰国
『ザ・タイムズ』の誤算
革命を記事にしたのは二人だけ
ボルシェビズムに関するひどい誤報
大スクープをボツに
連合国が犯した最大の愚行
ボルシェビキが恐れたこと
ヒステリックな反ボルシェビキ報道
新しい戦争の始まり
事実は新聞報道とは逆
失敗した連合軍の干渉
シベリアど何が起こっていたか
ニュースは東京でつかめ
記者ではなく歴史家として
パンフレットにも劣る宣伝活動
暴露された軍事介入の真相
勇気ある三人の特派員
新スタイルの従軍記者が登場
6 スペインでのコミットメント 1936-1939
作家を魅了した戦争
プロパガンダを書いた特派員
戦況までが作り物だった
報道のかげに隠れた残虐行為
カトリック系紙対NYタイムズ
「編集部は特派員を信用せよ」
ゲルニカ事件のいきさつ
フランコ側の反論
「真実」か「神話」か
「ちょっとピンボケ」の裏側
写真撮影のために軍事演習
ヘミングウェーは三流記者
真相は戦後にわかる
神話だけが残った
7 「彼らの最良の時」 1939-1941
四重の検閲
「戦時中に軍とは争えない」
精力的に動いたドイツPK
対独戦から対ソ戦へ
パリのドイツ軍
報道したくも手段がない
ダンケルクの真相とは
イギリスの戦い
数字はすべて誇張されていた
「電撃戦」はこうして始まった
身を守るのも金次第
誰も知らなかった戦い
8 母なるロシアのための戦い 1941-1945
ソ連国民の情報源は公式ニュースだけ
最初のモスクワ発戦争報道
写真は一切禁止
試練の地クイブイシェフ
ロシア語を話せる強み
厳冬で高まる厭戦気分
ワルシャワ・ゲットーで見たもの
レニングラードからの報道
兵士の日記に地獄図をみる
ドイツの降伏
報道されなかった戦い
東部戦線での奇妙な出来事
カチンの森の虐殺事件
これでは名特派員は生まれない
9 リメンバー・パールハーバー1939-1945
日本の実力を過小評価
明けても暮れても検閲
隠された中国の真実
マッカーサー神話
書かれなかったミッドウェーの勝利
悪夢のなかで知った日本の実力
難攻不落のはずなのに
奇行家ウィンゲートの活躍
従軍記者の役割とは
敵の残虐行為だけを報道
真実を書けずに何が特派員
紋切り型の戦闘報道ばかり
抑えられた「神風」のニュース
広島の悲劇はこう伝えられた
報道量は多くても…
10 二度と再び 1940-1945
ロマン満ちた北アフリカ戦線
英雄の登場
検閲は寛大だった
二つの空襲作戦
従軍記者統制システム
銃を持った特派員も
パットン将軍の平手打ち事件
ラジオが威力を発揮
ホテルで戦況を書いた従軍記者
アーニー・パイル方式
描写の限界を超えた悲惨さ
なぜ公正な報道ができなかったのか
あれはジャーナリズムではなかった!
11 朝鮮、国連軍の戦い 1950-1953
恐れおののくGIたち
お粗末な送信設備
戦争報道に魅せられた男たち
仁川上陸作戦
李承晩政権への幻滅
正確に書けば必ず圧力が
「従軍記者大量生産」戦争
もう少しで原爆使用へ
和平交渉での検閲
特派員は朝鮮で何をしたのか
12 ベトナム 1954-1975
真実を書けない理由
道路はベトコンのもの
仏教地区が情報源に
特派員の敵は…は
最前線のない戦争
不正に鈍感になった特派員
頂点に達した人種差別主義
ベトナム人殺しは日常茶飯事
ブラックリストに載った女性記者
ミライ事件暴爆のいきさつ
衝撃の大量虐殺写真
起こるべくして起こった事件
目撃されていた戦争犯罪
二つの予期しない波紋
ベトナム戦争の本質
13 戦争は楽し 1954-1975
戦争取材してこそ一人前に
戦死した従軍記者たち
戦争の魅力と良心の咎めと
カメラマンの苦悩
テレビは何を伝えたか
まるで戦争映画のよう
難しかった「北」からの報道
女性記者の目
傭兵ジャーナリスト
報道されなかった航空戦
アメリカ国民が知っていたら
小説家でなければ書けない戦争
勝利者はいなかった
一覧アリ
索引アリ