宇都宮空襲・戦災誌
第1部 市民の空襲体験記録
夏の朝の記憶(小川和佑)
どこへいったの“母さん”(白井静恵)
逝ってしまった兄、姉(山田文子)
死を覚悟(石井敏夫)
娘よ、民子よ(佐原シズ)
夫の留守中の空襲(小林光子)
電話交換手に深く感謝(加古勝造)
倒れた欅の木(中山コウ一)
親子四人別れ別れに(島田カネ)
地面が燃えている(小野寺立子)
「早く逃げろ」―父の最後の言葉(白石庄平)
主人を亡くし、母子二人で生きる(青木晶子)
夫は七日目に死んだ(中山光永)
空襲を逃れて!(関長一郎)
死んだ二人の女生徒(荒井トシ子)
命からがらの脱出(小西千代蔵)
焼けた学校(日記より)(田代ユキエ)
黒焦げの妻(三井晤郎)
悪夢の一夜(福田春子)
焼けてしまった皿絵具(清水一郎)
傷口から蛆が……(篠崎スマ)
灰色の町並み(菊地重雄)
親子五人折り重なって死んでいる(長谷川袈裟枝)
もう二度と帰らない姉(山本とり)
三十六部隊に勤務していた夫(渡辺トク)
手の打ちどころがない(大森吉三朗)
遺体が確認できないまま(星辰夫)
壕さえもっと頑丈に造っておけば(北畠勤)
馬も直撃でやられた(植田新三郎)
教室が病院と化す(井上隆)
なぜ妹は死んだんだろう?(小林ヨシ)
女中を亡くす(柴田郁太郎)
四方から火の嵐(斉藤春江)
不発弾を大八車に(松沼タカ)
恐ろしい油の雨(渡辺トヨ)
日本中が焼けた夜(斎藤良)
地獄の夜明け(大木カツ)
役に立たぬ日ごろの消火訓練(石戸静枝)
直撃で兄が死亡(鈴木まさ子)
無縁仏となった母、妹(山崎一夫)
おいしかった二つのおにぎり(渡辺満子)
田川の上流に逃れて(中村貴久江)
必死で消火作業(亀田甲)
母、姉、妹が死んだ(斎藤ミチ)
真っ赤な宇都宮の空(出口フジ)
クレヨンが溶ける(宇留賀正明)
黒焦げのニワトリ(宇賀神肇)
「お母ちゃーん」と呼んだ(大河原幸吉)
ある母親の遺体(斎藤美与子)
防空壕で母子の死体(片島一郎)
妻、わが子は直撃死(臼井浅一郎)
県庁四階から一望、焼野原(加藤拾衛)
葬式もしてやれなかった弟と妹(石川ヒロ)
ヤケドをした、とも子(倉持ナオ)
田んぼが燃えている(小野ハルノ)
命の恩人・水筒(手塚キヨ)
火の塊が走ってくる(豊田智子)
罹災者であふれた清巌寺(菅原弘子)
軍都・宇都宮は焼野原(松尾敬)
焼けなかった御真影(鈴木平吉)
竹中式バラック(鈴木ツル)
戦災当夜の宿直(田中金治)
活躍する警防団(新部伝三郎)
嫁入り道具のミシンが…(加藤米吉)
鑑載機が急降下(伴モト)
赤門も焼失(武田充弘)
母は一週間後に死ぬ(高橋ヒロ子)
黙っている「あっこちゃん」(佐藤テフ)
死んだ子を抱く母親(高瀬佳一)
二人の子を残し、夫は他界(浅野サキ)
屍体が田川岸にずらりと(館野親雄)
死体処理に当たって(赤羽清吉)
はかどらない消火活動(大淵皖司)
救急医療に当たる(石塚昌敬)
気象と宇都宮空襲(篠原久男)
戦災の復興事業に従事して(佐藤和三郎)
第2部 戦時下の市民生活記録
昭和二十年の宇都宮高農(井上竜夫)
戦時下の学校(田代ユキエ)
生活の知恵あれこれ(荒川ウラ)
忘れられない“銀めし”の味(入江サト)
農家へカボチャの買出し(白石庄平)
草も代用食(西口ミネ)
ドラム缶のお風呂(高島ミツエ)
団結かたい隣保班(隣組)(宮沢吉五郎)
繊維製品の配給と衣料切符(館野親雄)
そのころ刑務所では(江本兼吉)
毎日東京へ通勤(久保井憲吉)
筍生活―大豆のご飯―(佐々木義雄)
おいしかった草餅(宮沢ハツエ)
壕舎生活もまた楽し(斎藤勇寿)
配給畳でお産(田島千恵)
学徒動員に駆り出され(宮沢幸子)
ごった返すたぬき湯(関雅之)
布団皮でおしめを(内田春江)
息子に食糧の差し入れ(丸山リン)
疎開の鉦の音色(宮城道雄)
激増した赤痢、ヂフテリヤ
通信訓練次代を築く
松芽からも燃料
一日五十匁確保
箱づくりや垣根を利用して
簡単に出来る電気で御飯炊き
大豆の御飯
岩葺屋根の下
大豆の自慢話
ヨイコの新聞配達
国民健康保険を生かせ
第3部 報道記録と戦災関係資料
マスコミ報道記録
ルポルタージュ(市民の戦災記録)
その一 実録!宇都宮大空襲(徳田浩淳)
その二 寺と兵隊(樋口英子)
記録する運動・高まる市民の声
宇高校文化祭でも
資料
罹災状況および応急対策
戦災時および直後の配給状況
軍保管物資、戦災民救助用配給
当時の印刷物、ビラ
灯火管制ニ関スル参考資料
防空壕の構造
戦災時の気象状況
戦災時の新聞報道
市政六十年誌から
戦災復興記録
復興着々進む
新聞報道に見た復興
復興宇都宮・文化都市に甦る
宮復興祭 八月十日
宮で慰霊祭執行
戦災一周年慰霊祭
清算金と同額の“迷惑料”交付
きょう新生一周年迎えた宮
戦災三周年 きょう記念日
県都=逞しき復興
きょうバンバでみ霊祭り
宮で平和祈願
きょう戦禍から六年目
涙誘う遺児の姿
戦災死亡者の冥福を祈る
盛装で練供養
今はいずこ“あの日”の惨状
殉職消防団員らの慰霊祭
焼土に起上って十年
逞しい商都の息吹き
ビル並ぶ近代都市に
殉難者の13回忌法要
無縁仏の追悼法要を営む
戦災記念市民大会での講演から
編集ノート(事務局長・片野勧)
「宇都宮空襲展」のアンケートより
本誌出版に協力された団体および個人
口絵・資料・名簿あり