わが師淀川長治との五〇年

佐藤有一君のこと（淀川長治）
序章　淀川長治さんとの永久のお別れ
平成十年十二月十三日〈さよならの会〉
淀川さんのラスト・レコーディング
“死の美学”について語った淀川さん
第１章　東京・下町の“映画キッド”
両親が私を“映画キッド”に
下町の少年たちの遊びと友情
戦時下、開成より難関だった二中に合格
東京大空襲で生家の御園ホテル焼失
太平洋戦争終結から一ヵ月後の母の死
第２章　淀川さんとの運命的な出会い
父が一度だけ見せたアイデアマンの片鱗
沈んだ心を紛らわせてくれた洋画の数々
初めての出会いは、淀川さん三十八歳、私十六歳
上野高校に映画部創設
淀川さんが映画部顧問に
第３章　『映画の友』での編集者時代
室岡校長のもつ包容力に畏敬の念
淀川さんに誘われて『映画の友』編集部に
淀川さんとそっくりな道程を辿った不思議
優秀な人材がひしめいていた写真部
私の『映画の友』のルーキー時代
淀川さんの叱責に流した涙
思い知らされた友の会への情熱
初めての外国スターへのインタビュー
マリリン・モンローの気配りに脱帽
生粋の江戸っ子横綱栃錦
不世出のスーパースター、長島茂雄
名優ウィリアム・ホールデンとの出会い
淀川さんのたった一度の始球式
新人女優ササールを表紙に起用
淀川さんがキューピッド役？　銀座の恋の物語
“賢兄愚弟”のような木村功さんとの付き合い
わが憧れのカルディナーレ
淀川さんも呆れるほどの友情物語
第４章　淀川さんのテレビ出演
淀川さんのテレビ・デビュー秘話
おかしな関西弁を喋る解説者
私的な問題をもち込ませない厚い壁
趣味を共有した父の死
ＤＪ番組を芳村真理さんと担当
天下の“ＯＮ”をオンと読んだ！
『映画の友』との訣別、そして廃刊
映画スター音楽大全集の製作
淀川さんが感心した優駿のアルバム
紆余曲折の末に挙げた華燭の典
第５章淀川さんの知られざる映画論
淀川さんと小津監督の美意識
スピルバーグ監督の商魂を酷評
［プラトーン］には、“反戦の魂”がない
［太陽がいっぱい］はホモセクシュアルの映画か
第６章　不肖の弟子から見た淀川さん
“吝嗇家”を自認したケチケチ哲学
この世は嫌いな人ばかり
母堂への愛とホモセクシュアル
晩年の淀川さんがもっとも気にした男
産みの苦しみを味わった淀川さんとの共著
四四年間の「友の会」活動に幕
今も続くもう一つの友の会
縁は異なもの味なもの
淀川さんも驚く“寅さん”コンビの長寿ぶり
淀川さんに見た孤独の影