ぼくの日本自動車史

第１章　すべてはクラウンから始まる
おやじのクルマがぼくの記憶の始まり
ぼくの憧れのクルマはジープだった
国道を通るアメリカ車をいつもながめていた
トヨタ初期にＳＡというすごいクルマがあった
一九五五年、クラウンは華々しく登場した
そのころのクルマは、タクシー用に頑丈であることが優先されていた
古いシヴォレーはクラウンに駆逐されはじめた
ぼくの最初の愛車はＤＢ型ダットサン
一日がかりで、クルマを見に東京へ行く
ダットサン２１０はクラウンより気に入った
第２章　国産車の方向は決定された
大学で自動車部に入り、ますますクルマ好きに
ぼくのヒルマン・ミンクスは炎上してしまった
新型ヒルマンのスクリーンウォッシャーには、しびれた
二代目クラウンは劇的な変身をとげた
トヨタのデラックス戦略は三代目クラウンで確立された
四代目クラウンはトヨタ痛恨の失敗作だった
日産の伝統はオースチンでかたち作られた
日野のルノー４ＣＶはとてもしゃれたクルマだった
プリンスは戦前の航空機産業から生まれたエリート会社だ
プリンスに乗ったプリンスに出くわす
素晴らしく速かったグロリアの６気筒エンジン
第３章　ＢＣ戦争の始まり
ブルーバードは初めてのオーナードライバーズ・カーだった
４１０の素晴らしいスタイルは、ついに理解されず
初代の「ダルマ」コロナは、とにかくひどかった
ぼくの書いた『スポーツカーワールド』は、いま思い出しても恥ずかしい
銀輪部隊を蹴散らし、ラリーで優勝する
コロナ、ついにブルーバードの牙城を奪う
ドライバーをクビになり、カー用品会社を始める
ついにクラウンを抜けなかったセドリック
二代目セドリックはデザインがよすぎて売れなかった
パブリカはトヨタの社史に燦然と輝いている
独自のスポーティー路線を歩んだレベットにベレＧ
第４章　ぼくの乗った軽自動車たち
スバル３６０はほんとうにすごいクルマだった
バイトでオート三輪Ｋ３６０をぶっ飛ばす
かっこだけのキャロルはぜんぜん走らなかった
珍なるクルマ、フェロー・マックス２ドア・ハードトップ
カバのお尻のようなスタイルのスズライト
若者を熱狂させたホンダのヒット作、ホンダＮ３６０
第５章　消えてしまったクルマたち
生意気にも三菱５００の設計者に意見をする
ベレルは出たときすでに命脈が尽きていた
ぼくの中古のフローリアンは広くて実用的だった
コンテッサは足回りの弱さが致命傷となる
三菱で記憶に残るのはコルト・ギャランだ
やたら転倒したクルマ、ホンダ１３００
第６章　サニーはなぜカローラに負けたのか
「自動車らしく」見えることを心がけたカローラ
カローラＳＲというと、倒産したあの夏を思い出す
サニーは軽くてよく走るいいクルマだった
富士重工が乾坤一擲作った名車スバル１０００
いまでも欲しいスバルＦＦ－１スポーツ
スバル１０００が売れなかったことが歴史を変えた
ローレルのよさを当時のぼくは理解できなかった
マーク２に目がくらんだぼくは自分が恥ずかしい
やっと買ったシビックＲＳはひどい乗り心地だった
第７章　スポーツカーこそわが命
フェアレディこそ日本のスポーツカーといいたい
フェアレディＺは世界中のスポーツカーを滅ぼした
日本の高速時代の夜明けに登場したスカイライン
「スカＧ」神話の誕生を、鈴鹿でぼくは目のあたりにした
「愛のスカイライン」は初めての通好みのスポーティカーだった
ホンダＳ６００、こんなにぼくの気持ちを熱くさせたクルマはない
ギャンランＧＴＯで「ドキン」とした体験は忘れられない
ロータリーを積んだコスモ・スポーツには感心した
「安い・速い・止まらない」ファミリア・ロータリー
マスタングの成功を真似て登場したセリカ
初代シルビアのようなクルマはもう出てこないだろう
トヨタ・スポーツ８００は水すましのように走った
トヨタ２０００ＧＴを名車だという意見には賛成しかねる
第８章　『間違いだらけ』を出してから
病院のベッドの上で『間違いだらけのクルマ選び』の原稿を書いた
ゴルフというクルマとの出会いが、ぼくに本を書かせた
ＡＪＡＪとたもとをわかって、ぼくは評論家になった
国産車よ、かつての情熱を取り戻せ
年表・索引あり