図書カイグン ジンジ ノ シッパイ ノ ケンキュウ000037859

海軍人事の失敗の研究

サブタイトル1~10
太平洋戦争・誤断の開戦と完敗の主因
編著者名
生出 寿 著者
出版者
光人社
出版年月
1999年(平成11年)6月
大きさ(縦×横)cm
20×
ページ
326p
ISBN
4769809093
NDC(分類)
397.21
請求記号
397.21/O31
保管場所
閉架一般
内容注記
永野修身ほかの肖像あり 文献あり
和書
目次

第1章 太平洋戦争での十大失策
陸海軍、開戦時の勝算
緒戦の快勝と、ひとりよがりの名称「大東亜戦争」
連勝六ヵ月後の致命的大敗
海軍三首脳による無責任・ごまかしの敗戦処理
理に反したガ島奪回戦
天下分け目の決戦で、蟷螂の斧になった日本機動部隊
まちがいだらけの作戦で連合艦隊壊滅
「地獄絵図」の特攻一本槍作戦
終戦をおくらせた陸相、参謀総長、軍令部総長
開戦は人為的結果
第2章 海相加藤友三郎の「対米不戦」の決断
海軍史上無類の合理的決断
八・八艦隊の代表艦「長門」の進水
加藤の百万の味方、島村速雄
満場の喝采をうけた首席全権加藤の演説
死後も日本を救いつづけた功績
第3章 軍令部長加藤寛治、次長末次信正の反政府政治活動
「軍縮会議を決裂させては日本が困る」という天皇の意向
軍紀紊乱の下剋上行為に突っ走る末次信正
元帥東郷の海相財部に対する怒り
加藤寛治はあくまで浜口内閣案に反対
第4章 ガン発生のような「統帥権干犯」事件
軍紀紊乱の末次をかばう加藤
反浜口内閣運動が燃えひろがる
軍令部長加藤が天皇に直接辞表提出
百術ありといえども一清に如かず
対米英協調説の条約派と強硬説の艦隊派の抗争激化
第5章 軍拡派伏見宮の軍令部長就任
満州事変拡大に徹底的に反対した軍令部長谷口
満州事変拡大に協力した犬養内閣
満州独立の陰謀が上海にも飛び火
元帥東郷の一言で伏見宮の軍令部長出現
加藤寛治が望む顔ぶれがそろった軍令部
政権欲に駆られた政党内閣の自滅
第6章 海軍軍国主義化の二つの動力源
軍令部と陸軍に屈した海相大角
軍令部と職を賭して戦った井上成美の主張
軍事力第一主義の軍令部令が施行
海軍軍国主義化の動力源にされた伏見宮と元帥東郷
五・一五事件のテロ青年らを讃美した陸相荒木
第7章 日本海軍壊滅をまねく軍縮条約全廃案
第二次ロンドン会議に対する日本海軍の方針
軍縮会議予備交渉代表山本五十六の苦悩
米国にワシントン条約の廃棄通告
第二次ロンドン会議も不成立に終わる
第8章 二・二六事件と海軍首脳らの対応
雪の降る早朝、陸軍部隊のテロ事件
「テロ部隊は叛乱軍」と断定した横鎮長官米内
「国民よ、軍部を信頼するな」の絶叫
陸軍の政治干渉自粛はおこなわれず
「日独伊三国同盟」に化ける日独防共協定の締結
第9章 出色の海相選出
米内の横鎮長官はうってつけの最適人事
連合艦隊長官から海相就任の深い理由
インテリ貴族の首相と期待された近衛
第10章 無理押しきりなしの日中戦争
芦溝橋の銃声の真相
中国の抗日挙国体制確立
蒋介石を侮った近衛内閣の大誤算
第11章 日独伊三国同盟締結をめぐる陸海軍の抗争
希望的空想を当てこみ戦争継続
張鼓峰事件で日本軍はソ連軍に惨敗
首相平沼の陸軍と争わない保身術
軍令部主導の海南島攻略と関東軍主導のノモンハン事件
山本五十六の初「遺書」
陸軍に追従する内相木戸幸一
「日本海軍は対米英戦に勝てるみこみはない」
「海軍のおかげで日本の国は救われた」
第12章 陸海軍と近衛に倒された米内内閣
多難で短命確実と見られた米内内閣
ドイツの快進撃に幻惑され、魂を奪われた日本
「閑院宮はロボットにすぎなかった」という畑の回想
内閣総辞職時の米内の確信
第13章 海軍を乗っ取った反米英・親独伊派
陸軍に操られる第二次近衛内閣成立
外相松岡は「独伊との提携以外にない」と力説
日独伊三国同盟締結に天皇は失望落胆
閑院宮参謀総長と伏見宮軍令部総長が一致協力
海軍の対米英強硬派中堅将校群
第14章 開戦前の海軍トップ人事はすべて失敗
山本五十六が郷里の友人に出した奇妙な手紙
妥結不能の日米相互の要求
伏見宮に従順そのものの海相及川
東条の副官と評された島田繁太郎
第15章 逆効果になった真珠湾奇襲攻撃
軍令部総長永野の最も強硬な開戦主張
戦前に推定された開戦後の日米兵力の推移
米内家に参集した人びとの語り合い