語りつごう平和への願い
1 東京大空襲への道程(太平洋戦争の経過)
日中戦争の勃発
ヨーロッパの情勢
日独伊三国軍事同盟
南進か対ソ戦か
太平洋戦争の開戦
東京大空襲への道程
2 第二次大戦下の墨田区
戦時体制の進展と墨田区(行政対応)
墨田区の経済活動
戦時体制下の区民生活
3 東京大空襲と墨田区
「東京大空襲」の経緯
被害状況
東京大空襲体験記
本所区
もう一度敗戦の原点に立って(相沢春夫)
報われない民間人の犠牲者と遺族(足達美代子)
町会の仕事に携わって(雨宮茂)
二度の空襲体験(荒居陞吉)
熱さと恐ろしさに耐えぬいた錦糸堀(池亀文雄)
わずか数時間で失った家と学舎と学友(石倉一郎、篠原英雄、関口とし、土田敬子、前沢弘、三好すず子)
運良く父に会い助かった私(岩野博子)
残ったのはご飯茶碗だけ(岩本栄三郎)
火の海の中で(上田美智子)
みんなの力で街を守る(梅村宣子)
学校へ避難(老川博)
惨状の二葉小学校で助かる(大井はる)
死体にトタンを被せてわたった紅葉橋(大河内喜代子)
三月一〇日のこと(太田勝己)
五〇年目の三月九日(大多和貞)
鳴呼 東京大空襲の想い出(大野勘三郎)
プールの中で空襲の一夜を過ごす(岡田宏子)
思い出の詰まった皮鞄(奥津清子)
あの日、あの時(粕谷正勝)
神の力か私の命(加藤きみ)
生き残った長女も既に六七歳(金家興子)
隅田川は死体でいっぱい(加茂登千)
三月九日の暗夜“川の手”の悪夢は始まった(川口安久)
熱さで水が欲しい(木村とよ)
辛かった学童疎開の思い出(窪文二)
慈雨はガソリンだった(倉沢健次)
炎の中に逃げる(小泉勇)
私の三月一〇日(小島喜代松)
地獄からの生還(狐塚斉夫)
忘れえぬ日(後藤代三)
二学年が一教室で勉強(後藤道江)
戦況を正しく伝えなかったマスコミ(小早川恵子)
無念私の家が焼ける(小林静加)
震災で生みの母を、空襲で育ての母を亡くす(小林せん)
誕生日に空襲(斎藤進)
五〇年前の苦しかった思い出(斉藤広雄)
火傷の痛みも感じない(酒井喜美子)
美しかった母と妹の死顔(佐藤四郎)
横たわる死体を乗り越え工場へ(佐原弘正)
本音が言えない社会に問題があった(沢田橘太郎)
死体の下敷きで失神(清水栄子)
火焔地獄(清水茂代子)
二・二六から大空襲へ(志村毅徳)
忘れられない三月九日(甚野年子)
三角池で助かる(杉和子)
地獄に仏(鈴木信夫)
父の思い出の財産も焼ける(鈴木八郎)
人間がみんな真っ黒に焼けた(鈴木久子)
江東橋の共同トイレで助かる(高橋弘之)
時間差と避難先が運命を左右(高松一治)
震災体験が役立った大空襲(滝波栄一郎)
あの日、大横川は生き地獄だった(田中左内)
炎の海(田野信義)
姉に贈る体験記(近賀節子)
地獄の中をくぐり抜けて(土田敬子)
お米が守った延焼(都築康治)
家族六人バラバラになりながら助かる(鶴岡芳彦)
炎に追われ町会の防火用水で一晩(中村武一)
主人と三人の子供は窒息死(中村まさへ)
戦争なんて二度とイヤ(中村ミヤギ)
一人のリーダーに命を助けられた(中山澄夫)
唯一焼け残った私財はマンホールに入れた靴(南雲幸吉)
妹を焼いた日(野口貞雄)
菊川小学校の校庭で熱さに耐えて(法倉秀子)
命と平和の大切さを伝えたい(橋本代志子)
広島・長崎にもおとらぬ無差別爆撃(長谷川武)
ことばでは表現できない悪夢(長谷川幸康)
川へ飛込み母弟妹を失う(浜田政男)
三月一〇日下町大空襲に想う(久松志津)
焼跡の貴重な水(広瀬良)
水をかけても衣服は燃える(藤井登美子)
私の戦災体験(古川喜久子)
戦時中は、釣竿から旗竿づくりへ(古川米雄、古川静江)
思い出す公園の悲惨な光景(星谷明)
三月一〇日が暗黒時代のピリオド(増田年茂)
近所の一八世帯で助かったのはうちだけ(松本喜代子、大島美代子)
戦争の悲惨は自分が灰になるまで忘れない(宮下尋子)
扉を開けるか開けないか!(三好すず子)
あの日あの時を偲んで(向山政一)
二度と戦争が起こらないように皆で心がけねば(村木由雄)
我が家は焼け残ったが(村田威)
死体を乗り越え逃げる(村田勉)
集団疎開した友達の八割が亡くなった(村田秀実)
一瞬の偶然が命を助ける(本宮篤)
二葉小学校へ逃げて(柳沢健次郎)
母と私の青春を奪った戦火(山口巧子)
国家のために命、個人の夢など持てぬ時代だった(山田勝巳)
東京大空襲と国民学校卒業を前に(湯川鎮雄)
平和な時代まで生き残れて幸せ(横山ノブ)
布団一枚を頭へ被って(吉川理蔵)
我が家が燃えるのを見ながら(米村隆明)
地獄の中で奇跡の家族再会(鷲尾精一郎)
助かった喜びを神仏に感謝(渡辺幸平)
消防活動の父を亡くした三月一〇日(渡辺敏行)
記念堂へ逃げずに恩賜公園方面へ(渡辺初子)
電話局を必死で守る(作者不明)
向島区
国策に反対すればみな罪人にされた(秋元シズノ)
出産一月前の空襲・疎開体験(石塚静子)
印象に残った幽霊のような赤い木立(射越利喜雄)
消防署も自宅もわずかな時間で焼失(宇田川松五郎)
死界をさまよった一日(大川静江)
戦争で家も後継ぎも失い廃業(小川美代)
人も馬も焼け死ぬ大惨状(荻原和一)
私の熱い三月暑い八月(亀井保)
戦火の中に一枚の写真(菊地正雄)
この豊かで平和な環境を次世代へ(菊池満雄)
哀れ、防空壕の死体(木部恵司)
名簿の綴じ方ミスで召集回避(志賀福造)
実家のモチの木に今も空襲の焦げ跡(高山郁子、小山喜弘)
好きな骨董品と友人二人を失った主人(大徳たか)
空が燃えた(谷川和彦)
馬の死体が帰りにはただの骨(田村益男)
無惨な隅田川と橋(徳江喜代治)
デマは怖い、焼け落ちたはずの橋が残っていた(中村成一)
死体整理作業に、ほぼ一か月(永田正一郎)
隅田公園近くでの体験(野谷敏子)
新婚も束の間逃避行(服部富郎)
いつまでも語り伝えたい悲惨な戦争(平野富美子)
三月一〇日を忘れない(藤田照子)
川へ沈んだ遺体(堀田清)
八月一五日、父が一言「よかった」(前田稔)
あれは戦争というより一方的な殺人(松野武男)
あらゆる国の戦争が無くなるように(松本フミ)
曳舟駅で死のうと覚悟(横田ゑね)
あんなに燃え尽きたらローソクと同じだ(米長善雄)
区外
上京の折に大空襲に遭遇(阿部常一郎)
父の電報は「イエガヤケ、カアサンガシンダ」(今関とみ)
父の的確な判断で助かった家族(神定希久子)
戦争の悪夢 言問橋の惨事(小倉茂山)
戦争はお互いにとってつまらないもの(宗田尚久)
神様に祈りながら扉を押さえる(滝保清)
死の町を歩いた思い出(田中悦子)
言問橋の惨状と橋からとび下りて九死に一生、母たち四人を失う(中村かつこ)
日本本土本格的空襲(西孝正)
戦後の私の体験(西谷喜久子)
一夜にして母弟妹を失う(野坂正之)
私の記憶―門司・疎開先のこと(綿貫友江)
コラム
大空襲前後の相撲界
戦時下の職人さん
伝統工芸と戦火
商いと戦時統制
空襲を詠む
戦争と工業生産
座談会
明日の世代へ伝えたい、東京大空襲の体験と平和への願い
解説、年表、文献、一覧あり