巡洋艦「川内」の最期
第1章 夕暮れのラボール港
米軍、モノ島に上陸
色めき立つラボール港
第2章 ソロモン反攻作戦
正攻法の米軍
「川内」は幸運艦
第3章 敵艦隊いまだ見えず
八艦、ラボール港を後にする
姿を見せぬ敵にいらいら
正確な把握がなされなかった司令部
第4章 見栄を一擲した艦隊
獲物を求め、荒野を行く狼
無線通信は一分間九十字前後
同年兵、「取次」の赤石兵長
測鉛手の仕事を見るのが好き
勉強好きの池角兵長
第5章 重巡には“山”、軽巡には“川”
四本煙突の軍艦
艦内新聞発行も大切な役割
熟睡三時間は、駄眠十時間に勝る
第6章 日本軍の要塞ラボール
天然の良港
魔のラボール、昼間強襲
第7章 いつもと違う出港準備
ソーイン、集合
艦隊ウィスキーの美味
みんなの命を私が預かる
いつもと違う出港用意の謎
四名の志願兵は昭和生まれ
第8章 総勢十隻の精鋭、出発
連合襲撃部隊、いざ
直衛機なしの裸の艦隊
タロキナ岬逆上陸作戦、中止
第9章 敵方魚雷、二本命中
無線電話は、艦の目、口、耳
一戦交えるとき、必ず起こる振動
発動、三秒前
元気者、赤石兵長のうしろ姿
第10章 実弾射撃の標的と化した「川内」
砲撃力を失った艦
電話室九名の散華
第11章 「川内」電信室発、最後の電報
悲しい電波が空中を飛ぶ
「時雨」に出ていた救助命令
第12章 ソーイン、海に飛び込め
極秘文書の処分も仕事のうち
禁制の場所で喫ったサクラの味
第13章 「川内」から海中へ
荘司艦長の御最後
鮫の泳ぐ海は、人、人、人
第14章 「川内」轟沈す
いまだ艦上に動く人影
「川内」の最期がまぶたにくっきり
第15章 海の夜明け
敵地の真只中を泳ぐ
海の水の美しさ
第16章 精神錯乱の始まり
海水は悪魔の美酒
ワレ、センダイノ、セイゾンシャ
嵐のような大スコール
第17章 筏からカッターへ
ただひたすらにオールを漕ぐ
カッター、筏を切り離す
第18章 幻覚にさいなまれる
オール持つ手に地獄の拷問
敵の作戦航路に迷い込んだ
第19章 B25に攻撃さる
原始時代の大型怪鳥さながら
これが死か
第20章 生きているより
右膝を負傷
軍医長の御最期
第21章 島に辿りつく
膝が痛い、腰が痛む
久しぶりの食料にありつく
鎮魂譜