アメリカ占領時代沖縄言論統制史
序章 屍のアメリカ民主主義
忘れられた島
沖縄支配の原型
アメリカ的思考の様式
言論指導と“許可制”
第1章 占領初期の言論統制
戦時刑法を適用された「八重山メーデー事件」
本土における言論統制のあらまし
民政府の創設と自治意識のめざめ
新支配者による同胞への言論規制
米軍統制下での新聞の創刊
用紙不足と不明確な検閲基準
第2章 反共軍事基地としての沖縄の言論
批判の自由の限界
『人民文化』事件と『琉球日報』筆禍事件
新聞論調にみる言論・表現の自由
反共の砦と布令第一号
琉球放送局の開設
映画条例の制定と「自治政府」の発足
第3章 祖国復帰運動の弾圧
日本の沖縄と沖縄の日本
祖国復帰の熱意たかまる
出版物の不許可あいつぐ
きびしさをきわめた人民党への弾圧
集会・政治活動の制限
第4章 反共政府と復帰運動
植民地主義の正当化
沖縄教職員会に対する弾圧
奄美大島における本土復帰前後の言論状況
第5章 土地闘争をめぐる言論規制
軍用地接収問題起こる
抵抗の先頭にたつ琉球大学生
“朝日報道”の果たした役割
融資を停止された『沖縄タイムス』
高校文芸誌の受難
第6章 瀬長市長の実現と追放
瀬長氏登場の背景
激烈をきわめた瀬長氏追落し
第7章 日米政治の谷間にただよう沖縄
アメリカの地位低下とコンロン報告
新集成刑法の発布から延期まで
言論操作と思想調査の実態
教育界にみる文化政策の推進
第8章 新安保条約と言論の自由
アメリカ人記者への弾圧
『人民』『愛唱歌集』不許可事件
『人民』事件の裁判記録
第9章 アメリカ占領軍の論理と形式
軍人統治のもたらしたもの
新聞の抵抗と三つの弾圧方式
補論 現代沖縄ジャーナリズム論―ジャーナリズムにおけるグローバライゼーションとローカライゼーション―
いま、なぜ沖縄ジャーナリズムか
沖縄ジャーナリズムの方向性と可能性
歴史体験、戦争体験、差別体験の共有化
言論・報道のグローバル化とローカル化
付録あり