英国紅茶の話

プロローグ

１　紅茶のある風景
英国紅茶礼讃
午後のティ・タイム
正当派はミルク・ティ
「紅茶占い」と日常茶
おいしい紅茶を入れるには
ミルクは先か
紅茶の効用
受皿と「ディッシュ」で飲んだ紅茶
英国紅茶の銘柄
ダージリンとアッサム
紅茶の絶品、ウバ茶
ブレンド茶のいろいろ
紅茶の良し悪し
紅茶セットの誕生
紅茶とケーキ
ヨーロッパの紅茶

２　英国紅茶の歴史
「茶」のはじまり
ヴェニスの商人と「茶」
宣教師たちが紹介した「茶」
日本へ来た宣教師たち
オランダ人と「茶」
はじめてヨーロッパに渡った日本茶
イギリス商人の進出
平戸商館に来たイギリス人たち
ロンドンのコーヒー・ハウスのはじまり
「女人禁制」のコーヒー・ハウス
コーヒー・ハウスでの紅茶の宣伝
閉鎖されたコーヒー・ハウス
コーヒー・ハウスの再開
最盛期のコーヒー・ハウス
ウェスリーの紅茶有害説
生活に根づきはじめた紅茶
密輸された紅茶
ティ・クリッパー時代の到来
歴史的なティ・クリッパー・レース
海の女王「カティ・サーク」号
ボストン・ティ・パーティー事件
十九世紀以降の紅茶

３　イギリス文学と紅茶
ピープスの「日記」
ウォーラー「紅茶をうたう」
ドライデンとコーヒー・ハウス
ジョンソン博士とボズウェル
クーバーの誌と紅茶
マザーグースの紅茶
ワーズワースと「不滅のディナー」
「エリア随筆」のササフラス茶
リイ・ハントの紅茶讃美
ディケンズと紅茶
家庭的なオースティンとギャスケル
「嵐が丘」の粗末な紅茶
「ジェイン・エア」の寄宿学校
ワイルドの世紀末的紅茶
受皿から紅茶を飲むロレンス
モームと紅茶
オーウェルの紅茶礼讃
ブレインとドラブルの場合

４　英国紅茶の人々
歴史に名をとどめた人々
アーサー・ブルック／ジェラルド・ブルック
ロバート・ジャクソン
トマス・リプトン
アンドルー・メルローズ
トマス・リッジウェー
トマス・トワイニング／リチャード・トワイニング

５　比較「茶」文化考
「茶」の風土性
teaとchaの相違
ふたつの歴史
東洋の文化様式
「茶呑み」「茶くらい」「茶数寄」
虚構の美意識
「タテマエ」と「ホンネ」
神聖視される紅茶
秘儀としての公茶
「家庭的」ということ
レッサー・アートの感覚
個人主義的表象
文明としての紅茶

あとがき

英国紅茶年表
参考文献