女性史を拓く 3
1 〈戦後五〇年〉と近代日本
〈戦後五〇年〉で変わったもの、変わらないもの
〈戦後〉を問うとは何なのか
女性抑圧の装置―家父長制・公娼制・天皇制
天皇権威づけの創出
華族制度と天皇家の財政基盤の確立
近代天皇制の確立と侵略・排外主義路線
北海道と沖縄における「内国植民地」化
最初の植民地、台湾の領有
日清戦争勝利でふくらんだ優越意識、大国民意識
日露戦争で韓国を「保護国」化し、南樺太、関東州を支配
第一次世界大戦で、「満蒙」権益の拡大、南洋群島委任統治を手にする
2 天皇の戦争責任と免責工作
「村山談話」とあいまいな戦争責任認識
昭和天皇と戦争責任問題
支配層による「終戦」工作
天皇免責のための対GHQ工作
天皇免責のためのアリバイづくり―「昭和天皇独白録」
3 日本国憲法と戦後改革と「女性解放」
日本国憲法と大日本帝国憲法の「連続」と「不連続」
「憲法改正」にたいするGHQの圧力
日本国憲法第一〇条について
阪神教育事件など一連の民族教育弾圧
民法改正―依然として生きている「家意識」
家父長制秩序が温存されている天皇家
刑法改正―廃止された不敬罪と姦通罪
女性参政権の実現
労働基準法と労働省婦人少年局の新設
戦後女性運動と戦前女性運動の「連続」と「不連続」
今も欠落している天皇制と民族差別の問題
4 戦後の平和主義と女性運動
憲法第九条の骨抜き化
「逆コース」のはじまり
朝鮮戦争のさなかに警察予備隊(のちの自衛隊)創設
朝鮮戦争への加担
米軍基地を温存させての「独立」
米軍基地の島・沖縄で頻発する性犯罪
平和四原則
戦後の女性運動・平和運動と母性主義
母性をどう捉えるか
5 植民地支配と日韓会談
まやかしの「民間基金」構想に韓国の被害者は一致して反対
四〇年に及んだ朝鮮植民地支配
民族性抹殺の皇民化政策
外国人登録令で在日朝鮮人、台湾人を管理
アメリカの圧力で日韓会談開始―繰り返される日本側の「妄言」
「経済協力」方式で会談妥結―日韓条約締結へ
「日韓会談」と「日朝交渉」
6 戦後史と「従軍慰安婦」問題(1)
「慰安婦」問題の本質
性奴隷制度を生んだ日本的土壌
「従軍慰安婦」問題と戦争責任・戦後賠償
性意識の問題
公娼制度―国家による性暴力装置
「売春婦型」と「性的奴隷型」になぜわざわざ分けるのか
「売春婦」型「慰安婦」なら許されるのか
公娼廃止の覚書きから「売春」防止法制定まで
性意識は変わったか
7 戦後史と「従軍慰安婦」問題(2)
「慰安婦」問題の三段階
キーセン観光反対運動と権仁淑事件
韓国挺身隊問題対策協議会の結成
金学順さんらの「告発」
「補償に代わる措置」から「見舞金」決着路線へ
国際的人権レベルの問題に
「責任者処罰」の提起とその背景
不処罰による賠償責任論とPCAへの提訴決意
ICJ報告書をめぐって