戦争・テロ・拷問と国際法
第1章 ヒロシマ・ナガサキと国際社会の法規則
問題・合衆国は国際社会の法規則を侵犯したか?
事実
法規則
連合国は自己の行為をどのように正当化したか?
日本政府の公式反応
有益でしかも理にかなった手段が他にあったか?
第2章 なぜ国家は武力を行使しても罰せられないのか
国際法の「ブラック・ホール」
「一般の人」が知りたいと思うこと
伝統的制度から国連憲章へ
大いなる幻想の終焉・一九四五年に創られた集団安全保障体制の崩壊
冷戦が始まって以来、諸国は憲章で認められた規範を拡大してきた
憲章の諸原則を「操作する」ために、国家にはどのようなことが認められているか?
国家による恣意的解釈を阻むことのできる方法。とくに、解釈によって武力行使を正当化しようとするある種の
他の形態でなされた暴力の違法化
拡大解釈の制限・「ブラック・ホール」は除去されていない
第3章 核兵器の「第一撃」は禁止されているか?
このような質問をする意義はあるのだろうか?
いくつかの概念上の区別
議論の法的枠組み
伝統的な二つの禁止
一九六〇年代以前における核保有国の態度
一九六一年の国連における議論
一九七〇年代初めにおける方向転換
諸大国が現在とっている態度の簡単な考察
第4章 サブラ事件とシャティラ事件
一九八二年に起こった二つのパレスチナ人難民キャンプにおける虐殺事件・その新奇性
事実
イスラエル調査委員会
国際審査委員会
国連総会決議
どのような規範が適用可能であったか?
法的命題と政治的「ご都合主義」
第5章 処罰なき犯罪=キャプテン・アスティツ事件
「法」・二つの顔をもったヤヌス
キャプテン・アスティツの犯罪
イギリスの反応
別の「回答」を引き出すことができる法規範の探求
アスティツに不利な若干の「先例」
第6章 アブラハムとアンティゴーネ
相矛盾する二つの命題
アブラハムとアンティゴーネ・二つの典型
ある民主国家における服従の事例・ミルグラムによる実験
軍事組織と「部下」の問題
「古い」法とその最初の亀裂
転換点・ニュルンベルグ
国内裁判所の判決
私たちにとってより身近な事例・キャリー中尉事件
第二次大戦後の法律学全体の到達点
危機・第三世界は犯罪的命令に対する不服従の権利に異議を唱えた
第7章 国際社会に立ち向かう判事たち
国家主権という伝統的な隠れ蓑
ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下・下田事件
パラグアイにおける拷問・フィラルティーガ事件
外国領域内で行われた政治的暗殺・レテリェ事件
経済目的による拷問と人種的迫害・サイダーマン事件