赤い夕陽の満州野が原に
第1章 雄飛
命も要らず名も要らず
芽生えんとするもの
豪放なるかな大作
大馬賊へのあこがれ
密命をおびて大陸へ
成都に翻える日の丸
「おれは日本人だ」
第2章 雌伏
怖るべしロシアの野望
河本大作の達見
“札つき連隊”へ
第3章 狡猾
大川周明の理論
馬賊の仲間に投じて
満州の帝王といわれて
第4章 内乱
未来をはばむものへ
「おらが大将」の卓見
張作霖の最も良き日
五月二十七日の出来事
張作霖の野望ふくらむ
「敵は奉天にあり」
ついに長蛇をいっす
第5章 決意
日本の強硬態度固まる
『田中上奏文』の怪
爾霊山に英霊の声あり
第6章 計画
中国大陸の戦火やまず
北京を去る日の張作霖
天津駅途中下車の真相
陽の目を見る河本書簡
練られた暗殺プラン
熱血東宮大尉の登場
第7章 暗殺
意外な火薬置き場
二つの発火ボタン
大の虫と小の虫を
角田市郎中尉の手記
吹っとんだ第八号車
狂いだしたプログラム
躍らされた報道陣
関係者たちの証言
第8章 追及
血ぬられた誕生日
軍事顧問団と寄生虫
あらわれた生き証人
“満州お菊”のこと
東京での査問委員会
入りみだれる思惑
第9章 暗転
執拗な憲兵隊司令官
石原莞爾という男
ふたりの異端軍人
学良をめぐる覇道無残
閉ざされた某重大事件
田中首相、挂冠と死と
第10章 薄氷
もう一つの生きかた
廃帝溥儀からの密使
「桜会」に集う面々
クーデター「三月事件」
陸相宇垣一成の変心
『最後の殿様』の手記
第11章 使命
野人河本大作の述懐
歴史の霧のかなたに
満州国誕生の前夜
あらたなる密命
“河本の首を刎ねろ”
「東洋鬼来了!」
第12章 開花
ある華麗なる挿話
五族協和も夢ならず
くずれゆく建国の理想
最後の花ひらく
運命の日、来たる
太原城の上空に逝く
終章 永訣
参考引用文献あり