夏の空

第１章　ある青春への訣別
わが青春に悔いなし
裁きのくだる日
菊水隊、獄中の別れ
小園大佐の陳述
果てしなき苦衷
日本海軍に人なし
苛酷なる長い道
第２章　小園との絆は深く
転属命令くだる
小園とのめぐり会い
秘められた日記帳
奇しき運命の糸
宿敵Ｂ１７を屠る
ふたたび戦列へ
ああ遠藤機還らず
第３章　鎮魂のたたかい
徹底抗戦への始動
終戦二時間前の空戦
クーデターを宣言す
あわただしい厚木基地
悲劇の終幕から
あいつぐ説得の使者
秘命「小園斬るべし」
悲報、あいつぐ
皮肉なる運命の下に
青年士官たちの真実
第４章崩れ落ちる牙城
うちつづく混迷の中で
飛行停止の命令くだる
新司令山本、着任す
厚木進駐に決す
第５章燃える夏の空へ
覚悟なきものは去れ！
豪気、整備分隊士あり
狂瀾の渦中で
“菊水隊”脱出せり
司令健在なりせば
虚しき恭順の日
われら、破れたり！
第６章　破局なき愛の終焉
生きていた怨念
死にいたる花道
散りゆく花にも似て
第７章　大義に生きんとして
ある哀しき挿話
はじめに別れあり
奇妙なる結婚式
改田中尉は自爆せり
死も悔ゆることなし
わが心に君は死なず
別離の時きたる
第８章　秘められたる傷痕
“北海の荒熊”死す
増田中尉の獄中記
岩戸中尉の勇気
村井中尉との再会
神官となった中井中尉
終章　報われざる戦いの末に
武人の妻は悲し
小園復権の道遠し
あるサムライの悲劇