情報戦に完敗した日本
第1章 ヨーロッパの戦争だった太平洋戦争―日米開戦前後の英米ソ情報協力
欧州大戦の中の太平洋戦争
英米情報システムのドッキング
イギリスからアメリカへ流れたドイツ経済情報
エニグマ暗号解読からUボート狩りへ
威力を発揮した軍事情報の交換
英米情報局の協調と衝突
中途半ぱに終った英ソ情報協力
チャーチルが提供したソ連への秘密情報
ソ連とコンタクトしたイギリス海軍
正面協力を回避するソ連
大きく後退したソ連の情報提供
太平洋戦争は挑発された?
第2章 破れた“日本陸軍暗号安泰”の神話―ワシントンと太平洋
マジックとウルトラの結合
なぜ日本の船舶は待伏せ攻撃を受けたのか
丸裸にされた地上軍の移動と航空隊の動静
筒抜けだった東京と在外武官との通信
ホワイトハウスへ毎日届けられた陸軍情報
前線を走るアメリカ陸軍情報士官
驚くべきアメリカの解読力
アメリカは暗号解読情報をどう利用したか
第3章 マジック文書と日米戦争―通説の確認と新説
「マジック文書」とはなにか?
日本の暗号はいつからいつまで解読されていたか?
アメリカはどこまで知っていたか?
パール・ハーバー奇襲成功の背景
日本はなぜドイツの勝利を信じたのか?
ドイツが警告した日本の情報リーク
ドイツの足を引っぱった日本
解かれていないパール・ハーバー奇襲の謎
第4章 奇襲の論理―パール・ハーバーの現代的教訓
何が奇襲を可能にするか
「シグナルのノイズ化」に陥ったアメリカ
空振りを繰り返したワシントン警報
ホノルルの「危機意識」
奇襲の論理は常に生きている
第5章 情報に忠実でなかった日本―ベラスコと「東」情報工作
「マジック文書」に登場した「TO」情報
スペイン人による在米日本謀報組織の誕生
スパイ=ベラスコの組織と活動
「東」情報はなぜ無視されたのか
ノイズの中のシグナル
第6章 ドイツの敗戦を早めた日本―情報と戦略決定の視角から
チャーチルの情報重視
ドイツを不利にした日本
Uボート情報をとられた日本
連合軍のノルマンジー上陸に利用された日本
やっぱり駄目だったといいたい「日本陸軍暗号」
情報のグランド・アライアンス
第7章 アジアに展開した特殊工作―もう一つのイギリス情報活動
「三〇年ルール」の恩恵
特別活動執行部の起源
アジアの特殊性
特別活動執行部と軍組織
「フォース・136」とゲリラ活動
戦略情報局の支援
参考文献あり