壁
第一章 日本壁の特徴
壁の機能
壁の種類
第二章 古墳時代までの壁の概観
建築物の概要
校倉の構造
金属器に描かれた家屋
家形埴輪の造型
文献に現われた壁
第三章 古代の左官工事
左官工事の始まり
法隆寺の土壁
高松塚古墳の漆喰
壁画技法について
文献による土壁の復原
遺構と文献の対比
土壁が用いられた建築物
左官工事の職制
左官工事の古代的性格
第四章 中世の左官工事
時代の概要
神殿造の壁
絵巻物に見る土壁
藤原頼長の文倉
『春日験記』の土蔵
文学作品に見る土壁
職制の変化ー土工から壁塗へ
石灰の普及
第五章 近世塗籠式城郭の壁
左官工事の転機
中世の軍事施設と土壁
近世城郭の性格
天下人の天守ー安土城と大阪城
総塗籠の技術的条件
姫路城と彦根城工法
宣教師の見た白臺仕上げ
第六章 草庵茶室と数寄屋
張付から土壁へー屋内の変化
土壁の意匠
京壁の発生
初期茶室の土壁
桂離宮の土壁
第七章 近世左官工事の技術革新
近世の開幕
洛中洛外図に見る土壁の変化
大阪士と聚落士
石灰と貝灰
すさと糊料
有色壁の普及
第八章 日本壁の普及と発展
日本壁完成へのプロセス
土蔵の盛行
数奇屋に見る土壁ー玉林院茶室の場合
大津壁の発生
土壁普及の社会的背景ー(その一)防火対策
土壁普及の社会的背景ー(その二)奢侈禁止
島原角屋青貝の間の壁
伊豆長八の漆喰彫刻
第九章 日本壁の完成
工事システムの近世化
京都の組織ー『旧豊田家文書』について
江戸の組織
幕末の静岡の組織
壁塗から左官へ
左官の語源についての検討
第十章 工具について
第十一章 近代技術への接点
左官職の特異性
近代への接点
付表
参考文献
あとがき
索引