新修更級日紀(昭和32年発行)
1 あづま路の道のはて(寛仁四年九月二日)
2 門出したるところは
3 そのつとめて
4 つとめて、舟に車かきすゑて
5 野山、芦、荻の中を
6 まだ暁より足柄を越ゆ
7 富士の山は
8 富士川といふは
9ぬまじりといふところ
10 それよりかみは
11 みつさかの山の
12 ひろびろと荒れたるところ
13まゝ母なりし人は(寛仁五年)
14 その春、世の中
15 かくのみ思ひくんじ
16 五月一日ごろ
17物語の事を(治安二年)
18 花の咲き散るをりごとに
19 世の中に長恨歌といふふみ
20 そのかへる年、四月の(治安三年)
21 その五月の一日に
22 そのほど過ぎて
23 雪の日をへて降るころ
24 四月の晦日がた(治安四年)
25 この晦日の日、谷の方なる
26 京に帰り出づるに
27 旅なるところにきて(万寿二年)
28 かやうにそこはかなき事
29 七月十三日にくだる(長元五年)
30 八月ばかりに太秦に
31 冬になりて
32 かうてつれづれと
33 母一尺の鏡を
34 物はなき心にも
35 親族なる人
36 東は、野のはるばると(長元九年)
37 十月になりて京に
38 まづひと夜参る(長暦三年か)
39十二月になりて
40 聖などすら
41 十二月二十五日
42 その後は、何となく
43 又の夜も、月のいとあかき
44 冬になりて、月なく
45 語らふ人どち
46 又の年の八月に
47 今は、昔のよしなし心(長久四年)
48 そのかへる年の十月(寛徳二年)
49 よしよりの兵衛(永承元年)
50 夜深く出でしかば
51 つとめてそこを立ちて
52 暁、夜深く出でて
53 二年ばかりありて(永承三年か)
54 なに事も心に
55 いにしへ、いみじう語らひ
56 三月一日ごろに(永承四年か)
57 うらうらとのどかなる(永承五年か)
58 おなじ心にかやうに
59 さるべきやうありて(永承六年)
60 世の中に、とにかくに
61 二十七日にくだるに(天喜五年)
62 九月二十五日より(康平元年)
63 昔より、よしなき物語
64 甥どもなど(康平二年か)
65 ねむごろに語らふ人
66 年月は過ぎ変はりゆけど(康平三年か)
年表・索引・付図有