図書目録シホン シュギ ヒハン資料番号:000026285

資本主義批判

サブタイトル
初学経済学
編著者名
吉沢 文男 著者
出版者
三和書房
出版年月
1951年(昭和26年)10月
大きさ(縦×横)cm
19×
ページ
269p
ISBN
NDC(分類)
332
請求記号
332/Y94
保管場所
閉架一般
内容注記
昭和館デジタルアーカイブ
和書
目次

第1章 資本主義経済の特異性
資本主義社会は商品社会であり、人為的秩序のかわりに物的な自然秩序のもとにある
商品社会は、社会という統一体の全体としての協業関係が、個人という分裂体の私的分業関係から成り立つてい
商品社会は、交換社会、価格社会、金の世の中である
金の世の中とは、交換の手段たる貨幣が、交換の目的たる地位に坐り、経済を支配する社会である
此の社会成員は市場を目あてに生産し、おのずから市場価格を形成しつつ、その形成過程によつて逆に経済行為
市場経済は、巧みに仕組まれた自然秩序と能率の体制である
資本主義社会では、社会のための消費資料の生産としてではなく、資本家個人の為の利潤生産として、生産が進
資本主義経済では、経済本来の目的と手段とが顛倒されている
資本家の利潤意慾に基づく生産活動が、現実の全経済過程の始発点及び推進力ではあるが、之を成り立たしめる
利潤生産は、商品生産の過程に於て、此の社会の総所得とその分配を生産する
剰余労働の搾取関係であることにより労資二つの立場は対立抗争関係にあるが、反面密接不可分な相互依存関係
第2章 資本主義社会の制度、並びに社会成員のものの考え方及び行為の特徴
資本主義機構は、それに相応する制度により完全となり且つ支持される
此の社会成員の、ものの考え方や行為は甚だ打算的で、専ら私盆を事とする
第3章 資本主義の歴史的意義と発展即行詰まりの生理
社会的生産手段の充分な蓄積即ち生産力の飛躍的発展をその歴史的使命とする吝嗇の経済である
よき社会経済としての資本主義の意味は、それ自身が社会的福祉のための手段たることである
資本主義の発展はその歴史的特性と経済の一般性との調和の上にのみ保証される
企業施設の優秀化は個々の資本家的成功の要因であり、その結果生産力が増大する
生産力の増大そのものは、価値を増大せず、且つ価値蓄積と矛盾するのに、資本家は、価値増殖のために生産力
生産拡大に対比して、消費過小傾向が常に存在することは、資本主義の発展力を去勢する筈である
資本主義経済の真の発展の動因は、資本主義機構のうちにはなく、それ以外の経済圏からの需要が始源的動因で
資本主義経済の発展の過程には、景気変動と恐慌がつきまとう
資本主義経済の発展は、外部市場を狭隘化し、自己の発展を以て発展の余地をせばめる
第4章資本主義行詰りの具体的過程
外部市場の狭隘化は、資本主義諸国家の急速な発展により加速度的に促進され、資本主義市場は世界的規模にわ
植民地の領有開発、資本の輸出は、外部市場を拡大し、景気循環、恐慌に影響する
資本主義の発展が行詰りの段階にさしかかり始めると、自由競争の代わりに独占が支配的となり、産業資本の代
独占は、資本主義の物的自然秩序をゆがめはするが、その本質たる物主的性格を変えるものではなく、撞着する
帝国主義は、資本主義の独占的段階であり、世界的規模に於ける金融資本の支配権の争奪は世界大戦を不可避と
世界大戦は、景気現象をゆがめたが、戦後の特異な好況期の後に、世界的大恐慌を迎えることを免れ得なかつた
1929年の恐慌は、深さ、激しさ、沈滞の長さに於て未曾有のものであり、之は、資本主義に特有な矛盾の破
世界的恐慌に引きつづく深い沈滞は、遂に正常に解決され得ぬまま、第二次世界大戦の中にかくれた
第5章 資本主義は果たして崩壊するか
資本主義の下向的段階に於ては、発展の要員であつた諸矛盾が撞着に転じ破壊的作用を営むに到る
修正資本主義によつて、資本主義は延命が可能であるかに見える。然し結局は永続できない。特に、原子力時代
資本主義の歴史的成果を活かすところのよき後継者として社会主義の実現は必至であるが、此の親子は闘争関係

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