昭和 第5巻
索引有
昭和13年
全総幹部三三人明治神宮に参拝し「皇軍の武運」を祈願。
岡田嘉子・杉本良吉樺太国境を越え入ソ。近衛内閣、強硬姿勢「国民政府ヲ対手トセス」
「長期戦に臨む重大決意」近衛首相、記者団に被露。南京の日本軍憲兵が米国領事アリソンを殴打。
第二次人民戦線事件起こる労農派教授グループ大内兵衛ら検挙される。
日本軍の蛮行を描写「生きてゐる兵隊」に発禁。近衛内閣、衆院本会議に国家総動員法案を上程。
商工省、綿糸に初の「配給切符制」採用。「一国一党」唱える光風塾員社大党安部磯雄を襲う。
「東京オリンピック」決定冬季五輪も札幌で。米国パネー号誤爆の賠償金二二一万四○○○ドルで決着。
電力管理法公布「電力の経営」、国が握る。中国軍の撃減めざし徐州作戦発動。
科学審議会発足不足資源の補填を研究。日本共産主義者団機関紙民衆の声創刊。
中国侵略の国策会社誕生北支那開発と中支那振興。国家総動員法施行人・物の徴用、政府の手に。
ねらいは体位向上厚生省「歩け」運動提唱。日本軍、徐州占領中国軍撃滅作戦は失敗。
近衛内閣改造外相に宇垣、文相に荒木…。毛沢東「持久戦論」発表。
国策検討の最高機関「五相会議」設置。中国大使館閉鎖。
綿製品の統制で民需用は供給禁止。職業紹介所、国営に。
物品販売価格取締規則公布公定価格制度確立へ。東京オリンピック中止「二千六百年記念万国博」延期。
貯蓄奨励・節約強化揚げ「経済戦強調週間」開始。「経済警察」登場内務省に経済保安課創設。
張鼓峰事件の停戦協定モスクワで成立。拓務省、全国的に「大陸の花嫁」募集。
横浜港でナチス式挙手ヒトラー・ユーゲント一行来日。難口攻略作戦に菊池寛ら「ペン部隊」派遣決定。
五人の斥候兵ベネチア映画コンクール大衆文化大臣賞受賞。
春日庄次郎ら日本共産主義者団一斉検挙で壊減。
宇垣一成外相興亜院設置に反対し辞任。陸軍、作戦要務令制定本格的な長期戦に備える。
日本軍、広東占領東京の各地で祝賀の提灯行列。
日本軍、武漢三鎮を占領東京市中、万歳の渦。第二次近衛声明発表「東亜新秩序」を建設と。
官製の農民文学墾話会に島木健作・徳永直ら参加。岩波新書刊行開始斉藤茂吉「万葉秀歌」など。
日独文化協定調印友好関係さらに深く。岡邦雄・戸坂潤ら旧「唯研」関係者検挙へ。
警視庁特高部労働課組合対象の左翼係廃止。親日派汪兆銘、重慶脱出蒋介石と袂を分かつ。
昭和14年
善隣友好・共同防共…近衛第三次声明発表。国民精神総動員中央連盟国民服はカーキ色と決定。
国民職業能力申告令公布技能者の登録義務付け。双葉山、安芸ノ海に苦杯連勝、六九でストップ。
五相会議、三国同盟に関し「対ソ」のみ武力援助と決定。東大経済学部に「平賀粛学」河合・土方両教授休職処
平沼内閣「宮民一体」掲げ総動員体制強化へ。南方進出の拠点確保日本軍、海南島に上陸。
商工省が鉄製品回収ポスト、ベンチなど不急品。理研の仁科芳雄研究室にサイクロトロン据う付け完了。
「東亜新秩序建設」を平沼首相、放送。兵役法改正短期現役制廃止など。
各地の招魂社護国神社と改称。ドイツ、チェコを解体ボヘミア・モラビア占領。
国民精神総動員委員会創設市川房枝・菊池寛に参加。労働者の移動抑制のため「賃金統制令」等公布。
米穀配給統制法公布米穀商、許可制に。陸軍美術協会結成会長に松井石根大将。
「満ソ国境紛争処理要綱」で関東軍が強硬方針示す。青年学校令改正勤労少年に義務化。
ノモンハン事件起こる満州・モンゴル両軍衝突日本軍、出撃へ。
全国学徒代表親閲式宮城前で挙行。ソ連・モンゴル軍反撃捜索隊が全減。
日本軍、天津英仏租界を封鎖。国民精神総動員委員会学生の長髪禁止など決定。
関東軍、独断でモンゴルのタムスク爆撃。「金の国勢調査」実施金貨・装身具など強制申告へ。
「赤紙」ならぬ「白紙」国民徴用令公布。英国排撃市民大会に約四○○○人が参集。
日米通商航海条約米国務長官が廃棄通告。朝鮮人強制連行始まる「内地移住に関する件」通牒。
国民消費の実態把握へ「物の国勢調査」実施。徴用令による召集令状先ず建築技術者へ。
東京市、隣組に回覧板横一尺二寸・縦九寸。「日独防共枢軸」に亀裂独ソ不可侵条行調印。
「欧州の天地は複雑怪奇」と平沼内閣総辞職。独軍、ポーランドへ侵攻第二次世界大戦始まる。
ノモンハン事件停戦。東部ポーランドへソ連軍、進駐開始。
厚生省「結婚十訓」発表。「産めよ殖やせよ」など。警視庁、管下工場に通牒「暮の賞与も国債で」。
援蒋ルート遮断めざし大本営、南寧攻略作戦発令。価格等統制令公布物価・賃金なども凍結。
中国「新政権」樹立に向け軍部、汪兆銘に接近。日米国交調整へ野村・グルー会談始まる。
八路軍捕虜ら反戦唱え「日本兵士覚醒連盟」結成。兵役法施行令改正「第三乙種」を新設。
ベークライト製ハンマー、大豆飯など代用品続出。「白米の禁止令」公布七分搗き以上は禁止に。
小作料統制令公布小作条件を凍結。軍機保護法施行規則改正二○m以上の俯瞰撮影禁止。
鹿地亘ら中国の桂林で日本人民反戦同盟を結成。
野村・グルー第四回会談米側、新条約締結を拒否。
昭和15年
紀元二千六百年の正月。「記紀批判」の津田左右吉、右翼らの攻撃に早大教授を辞任。
英米との国交調整めざし米内政内閣誕生。「浅間丸事件」起こる反英感情さらに悪化。
青少年雇入制限令公布軍需産業へ労働力確保。斎藤隆夫が「反軍演説」衆議院で「聖戦」の欺瞞追及。
閑院宮参謀総長対重慶和平「桐工作」を支那派遣軍に指示。
「反軍演説」の斎藤隆夫衆院本会議で議員除名に。横浜―サイパン―パラオに大日本航空が定期便。
「斎藤除名」に反対安部磯雄党首社大党離党声明。
ディック・ミネら一六名に内務省が改名指示。南京国民政府成立主席代理に親日派汪兆銘。
国民体力法公布一七~一九歳男子、検査義務化。日本ニュース映画社設立政府、国策宣伝の手段に。
南京で遷都慶祝典礼汪兆銘、日中の提携を強調。国民優生法公布モデルはドイツの断種法。
国民精神総動員本部食糧確保へ「節米」呼びかけ。軍令部、対米戦図上演習で日本の持久力を検討。
ダンケルクから英仏軍が撤退。木戸幸一内大臣に就任。
抗戦首都重慶に陸軍機も連続爆撃。ドイツ軍、パリ入城。
ド・ゴール、ロンドンから対独レジスタンス呼びかけ。近衛文麿、枢密院議長辞任「新体制」確立の機窺う。
無産運動三○年の歴史に幕社会大衆党解散。「支那事変記念日」を期してぜいたく品に七・七禁令施行。
第二次近衛内閣誕生「八紘一字」「一億一心」強調。海軍「零戦」を制式採用。
米国、対日経済牽制を航空機用ガソリン禁輸。標語「ぜいたくは敵だ!」東京市内に一五○○本立つ。
政党ついに消減立憲民政党も解党。新協・新築地劇団解散へ村山知義ら百余名検挙。
松岡・アンリ協定北部仏印進駐の日仏合意成る。
「零戦」重慶で初戦果中国軍戦闘機を全機撃墜。新体制運動協力のため婦選獲得同盟解散へ。
日本軍、北部仏印進駐協定を破り越境。ベルリンで日独伊三国同盟調印。
大政翼賛会発足総裁に近衛文麿首相。新体制下の文化創造をと日本文学者会結成。
米穀管理規則公布米の国家管理を強化。一○人以上の子をもつ「優良多子家庭」を表彰。
「国体の教義」を徹底神祇院設置。「紀元二千六百年」全国各地で祝賀行事。
全国組織の官製労働者団体大日本産業報国会創立。文部省が児童の読書調査「桃太郎」「西住戦車長」に人気。
日本の南進阻止へ米国が対中国一億ドル借款。戦時統制経済を推進「経済新体確立要綱」決定。
出版界、統制団体日本出版文化協会を設立。衆議院議員倶楽部結成不参加は尾崎行雄ら七名のみ。
日・仏印東京会談開く原料・資源の獲得へ日本側、強硬姿勢。
資料・細目次有