サムライ戦車隊長

戦場と指揮官（吉田俊雄・高杉恭自）
第一章　サムライの末裔
わが生家のことども
父祖の血と共にあり
一陸軍生徒の苦闘
あゝ青春の血は燃えて
市ヶ谷台上を去る日
第二章　運命にいどむもの
正をふんでおそれず
細見戦車大隊奮戦す
天職に生きんと欲す
奇しきめぐり逢い
第三章　運命のいたずら
幾度か死線を越えて
鉄火の中に生きる
死中に活をもとめて
第四章　不惜身命に生きる
迫りくる決戦のとき
意表をつく奇襲計画
秘策を胸に秘めて
生死をもとにする者
死もまた悔ゆるなし
第五章　まばたく星の下で
鉄獅子、月下の猛進
敵中にひとりおもう
敵にささげる祈り
栄光はわが手にあり
第六章　島田戦車隊つよし
敵陣内を蹂躙、突破
鉄獅子の吠ゆるとき
一路スリムめざして
第七章　死ぬる勿れきみよ
ただ突進あるのみ
敵中ふかく孤立して
猛虎の死するとき
第八章　慟哭の夜はふけて
スルムリバーの対面
凱歌はたからかに
五反田戦車隊の全滅
ブキテマ高地にて
砲弾下に苦闘づつく
第九章　スリムの友は散った
狂気のとむらい合戦
ふたたびソ満国境へ
きたるべき運命の日
＜終章＞スリムの友は語る
忘れえぬことのみ
あゝ熊本中尉散る
スリム戦の思い出
ブキテマに死なず
生くるも死ぬるも
戦場で得た果実