あ丶回天特攻隊

第一章　この道をひたすらに
ただひとつの青春の道
死に遅れた者のあわれ

第二章　戦場が俺を待っている
これがお前のひつぎだ
目のある魚雷として

第三章　えらばれし者のひとり
航跡のなかでの孤独
忘れえぬ光基地の対面
はじめて棺の人となる
レイソウナリ、収容ス
豪勇　橋口中尉の愛

第四章　猛りくるう血潮の中で
ドングリ共にうけた私刑
雪の日の大復しゅう戦
剛直のなかに涙ありて

第五章　散りゆきし若桜たち
三好隊長に殉ぜんとす
犬死にか、敵艦轟沈か
初の潜水艦発射成功す
俺の恋人メリケン空母
強者行きてまた還らず
日本最強の回天特攻隊

第六章　あゝ別れと知れども
なみだが頬を伝うとき
書き残すこと何もなし
泣かない、泣かない！

第七章　祖国よさらば我は征く
多々良隊に命くだる
やがて沈めん　この命
狂乱怒涛の太平洋へ
あゝ祖国を抱いて寝る

第八章　若桜死にいそぐなかれ
最初にやってきた危機
多々良隊タタラるの日
無惨なひとつの結末
昔日の面影さらになし

第九章　この海のつづくところ
新しき祖国を夢みて
いさぎよく、美しく！
そこに俺の墓場がある

第十章　愛するもののために
送るもの送られるもの
ついに敵船団を捕捉す
身は肉塊の弾丸となし
あゝ彼もついにいった
母よ、あゝ母ちゃんよ

第十一章　生きては還れんものを
せつなくむなしい別れ
こんどこそ死んでやる
めざすはサイパン航路
運命の日を見つめて
あゝまたしても不運か

第十二章　強くなれ、強くなれ
“爆雷地獄”での死闘
菅昌艦長なみだの訓示
だれが卑怯で生きたか
断じて強く生きる