奇襲の研究
ケース・スタディ1 一九四一年十二月八日●日本軍パールハーバー攻撃
人間の本質が奇襲を招く
ルーズベルト謀略論/奇襲不可避論/日本の奇襲行動
ケース・スタディ2 一九四五年八月九日●ソ連軍満州侵入
法的義務は無視・逆用される
原爆投下後に/外交的奇襲/軍事的奇襲/奇襲成功の要因と反省
ケース・スタディ3 一九四〇年五月十日●ドイツ軍仏マジノ線突破フォール・ゲルブ作戦
考えられないことが行なわれる
「ルーシファー事件」とマジノ線突破計画/ドイツの欺瞞工作/時間をくるわしたスピード
ケース・スタディ4 一九四一年六月二十二日●ドイツ軍対ソ侵攻バルバロッサ作戦
自らの錯覚・幻想に騙される
わかっていたドイツの対ソ侵攻/日本も独ソ開戦をを知っていた/ドイツの欺瞞とソ連の自己錯覚
ケース・スタディ5 一九四四年六月六日●連合軍ノルマンジー上陸オーバーロード作戦
戦略的・戦術的に情報は操作される
「ウルトラ」情報の活躍/不安から確信へ/連合軍の対独欺瞞活動
ケース・スタディ6 一九六七年六月五日●六日戦争におけるイスラエル軍
あらゆるレベルで撹乱される
「六日戦争」に学べ/ダヤンの開戦前欺瞞戦略/「フォッグ・オブ・バトル」作戦
ケース・スタディ7 一九七三年十月六日●ヨムキプル戦争におけるアラブ軍
不可能事が可能とされる
アグラナト委員会の調査報告/パールハーバーとのアナロジー/技術奇襲時代の開幕
ケース・スタディ8 一九六八年八月二十日●ソ連軍チェコスロバキア侵攻
敵も味方も欺瞞される
危機への足どり/西側情報部の失敗/西側の混乱
ケース・スタディ9 一九七一年七月十五日●ニクソンの対中ショック外交
平時でも奇襲はある
奇襲の前のシグナル/キッシンジャー北京密使行/奇襲外交の効果
総論 なぜ奇襲は避けられないのか
奇襲の不可避性/奇襲の要件/奇襲される側の構造/危機回避と危機管理/十九世紀の危機防止の知恵/予期で