海なお深く
第一章 緒戦の海 昭和16~17年・開戦当初の海上輸送
哨煙海に漂い始める-開戦前夜の日記 大野喜一郎
奇襲-軍部の描いた筋書きの海で 小野光雄
開戦の夜のマレー奇襲船団 泉精喜
防空船ありぞな丸の死闘 増田礼二
補給船団コタバル沖に沈む 当摩誠一
香取丸のクリスマス・イブ 武藤辰夫
冷凍船・秩父丸の最期 高松一男
第二章 制海権なき帝国シーレーン 昭和18年・南方海域 昭和19年・北洋方面
強運の亜丁丸輸送記露原重夫
死の島ガダルカナルからの生還 本間金一郎
魚雷の海 角田松雄
初乗船のラバウル航海記 西村二三男
海霧流れるオホーツクの海で 川端正二
砕氷船・高島丸沈没のあとで 小田芳太
千島に眠る少年海員の霊に沖之悠
第三章 戦火の海の標的となって 昭和16年~20年・反復被災を生きのびた船員たち
受難三度、死の海からの生還 足立一男
悪夢の南アジア補給路 須藤順
惨禍の海に命を拾う 石田次男
船長と見習い水夫の生と死 平山豊次
恐怖と憧れの青春航路 杉崎恒雄
クェゼリン島の英霊 永田武利
船友よ、だれのために--平田和一
第四章 特攻船団の潰滅 昭和19年~20年・断末魔の海上補給路で
特攻輸送「ヒ八七A船団」全滅す高橋清三郎
バシー海峡鎮魂 木村利三雄
弾薬輸送船・安国丸の彷徨 土江春夫
呪われた初航海 森三男
海上トラック船隊奮闘す 福田真六
知られざる漁撈部隊の悲劇 山本真次
“特殊漁船”トロール船の徴用 川崎正市
第五章 受難の傷あと 昭和20年~敗戦・痛恨の記憶を胸に
少年コックの死線周航記 船本栄之助
敵前に捨てられた撤収船隊 江田敏男
還らぬ若き生命をしのんで 楠本徳之助
死臭の船・第六雲洋丸 後藤隆
身代りとして散った漁船員の霊に 千葉次郎
追想の日鉄船隊 村上行示
船と人の“訃報処理係”として 二口一雄
地獄で会おう、友よ 根元正
第六章 残された者の戦記 遺族の思いはいまも海に
天南丸の航跡を追って 泉谷迪
妻として語る海からの遺志 真崎ナミ子
父とぶらじる丸 石井糸子
平和な商船を使って開戦を準備 鈴木定子
“父の海”この胸に 尾島恵津子
ガダルカナルの空へ行け 平野洋子
参考文献・年表・索引有り