翔べなかった若鷲

メダカ人生波高し
最初のバッター見聞の巻
犬の出征と自分の出征
遠方ながら母見て居申す
汽車は出て行く煙は残る
憎しとて叩くに非ず雪の竹
芽出度く存じ候
天翔けるまでの一里塚
無念無想より悪し
娑婆からの道締めくくり
忙中閑あり叱咤あり
袖触れあうも他生の縁
窮すれば通ず
めしの食い方欲目の見方
遠く山河を隔つるの身
当るも八卦、当らぬも八卦
柳に蛙のごときなり
一栄一落是春秋
別離
望郷の念
「此の一戦」にかける祈り
我れ不沈空母「信濃」に乗艦す
垣間見た世界最大の空母「信濃」
百聞は一見に如かず
耐寒訓練と玉あげた話
一万米競技韋駄天走り
いずこも同じ年の暮れ
正月の餅
兎追いしの巻
ギンバイした味噌の味
隊門をくぐった背中の餅
面会許可書は別れの通告
離れ離れに散ろうとも
落ちこぼれの果て
神棚の陰膳
兄弟は永久に兄弟なり
国破れて山河在り