添田唖蝉坊・添田知道著作集 別巻
1 維新怱忙開化異相を映す流行歌(明治元年-五年)
唄は世につれ世は唄につれる
おかげ参りとえゝぢやないか
東征の官軍とその軍歌
士族の商法、東京成る
人力車の発明
断髪令と女子の断髪
娼妓解放と太政官令
瓦斯灯と牛鍋の始め
2 官員万能-経済的沈静(明治六年-十五年)
今日の書生明日の役人
髯は官員の看板
西南戦争
竹橋暴動
金融逼迫
国庫欠乏と紙幣濫発
馬車鉄道
コレラの流行
3 自由民権運動時代(明治十四年-二十一年)
自由党興る、加波山其他の暴動
壮士節演歌の起源
壮士の選挙運動
新体詩興る
梅坊主のかつぽれ
大コレラ、棺桶の行列
女大力の見世物
ノルマントン号の沈没
徳永里朝と縁かいな
南京米の到来
4 憲法発布と議会開設(明治二十二年-二十四年)
オッペケペーと川上音二郎
官員罵倒、鯰と免の字
ヤツツケロ壮士
征韓論と日清談判の唄、壮士芝居の嚆矢
大和胆の看板村田銃
法界屋と改良剣舞
品川弥二郎と選挙干渉
保安条令と三島通庸
条約改正と外務大臣、島田の発娼運動
農尾大地震
所謂壮士節の欣舞節と愉快節(明治二十四年-二十五年)
壮士節は洗練を欠いた嘔吐文学
一高と笹山の猿
6 政論時代-西洋熱嘲罵-海外遠征(明治二十五年-二十六年)
福島中佐の帰朝と熱狂的歓迎
婦人海外出稼ぎ
弄花の流行
7 地方俚謡の移人流行時代(明治二十二年-二十七年)
地方唄は都会に入って生れ変る
源氏節芝居の組
8 日清戦争時代(明治二十七年-二十八年)
東学党蜂起
李鴻章小山六之助に打たる
春帆楼の談判、遼東の還付
軍歌盛んに作らる
9 戦後の腐敗時代(明治二十八年末-三十年)
政界の腐敗
二銭講の古谷
東コート流行
娘義太夫とドースル連
松方内閣
バージン事件、布哇移民拒絶
10 名所と旅の流行歌(明治三十年-三十二年)
東海道旅行唄
すたれた東京名所
低調淫卑の気風
朝陽館事件
11 自由廃業-条約改正・内地雑居(明治三十三年-三十五年)
遊女のストライキ、自廃のトップ
娼妓の制唄
青年倶楽部の滅亡
汽笛一声
青森五連隊雪中行軍
12 日露戦争時代(明治三十七年-三十九年)
初めて非戦論唱へらる
広瀬中佐
ここはお国
二百三高地巻、元禄模様
電車値上と焼打
電車会社の競争、合併
13 自然主義・生活に触れて行く唄(明治四十年-四十五年)
新派劇の全盛
初期活動写真と弁士
男三郎事件
曾恵子書翰の種あかし
苦学熱
演歌者の技芸
米価騰貴、大不景気
14 浪花節全盛期の歌謡(大正元年-五年)
ハツキリ違ふ明治と大正
ジゴマ流行
生さぬ仲うどん秘話
どんどんの後藤
桜島噴火、東北飢饉、不祥事連発
新しい女の出現
青島守備兵の戯れから生れた歌
磯節は崩れる
15 世界平和-洋風旋律・小唄時代(大正五年-八年)
芳川鎌子の情死
碑文谷踏切番の責任自殺
新劇運動熾ん
米騒動
演歌組合
須磨子抱月を追ふ
欧州大戦終る
ビルの初め
八木節流行
16 オペラ流行時代(大正七年-十一年)
オペラの勃興と凋落
17 不安時代(大正八年-十一年)
鈴辧殺し
尼港事件
鴨緑江節と梶原華嬢
安田善次郎、原敬刺さる
白蓮、黄金の篭を破る
どせう掬ひとエツサツサ踊り
18 大震災-大正末期(大正十二年-十五年)
東京赤い野原と化す
バラツク生活
復興とすいとん
小唄映画と流行禁止
軍隊の流行歌
山陰大震災
鬼熊事件
機械時代への転回-演歌調
音楽史から見た唖蝉坊(小島美子)
歌謡目次有り