償いは済んでいる

プロローグ　忘れられた千六十一人
第１章　責任を取る
母ひとり子ひとり
魔の木曜日
ピンクの頬
寄りそう墓
第２章　なぜ、ひとりだけ
諦めきれぬ諦め
「どうすればよかったのでしょうか」
第３章　恨みの二カ月
リゾートの過去
進学するな
庭木の枝を折る
ザルをかぶる子ら
第４章　親たちの悲劇
母親のカン
インコと遊ぶ老父
第５章　巣鴨プリズンというところ
「では行っていらっしゃい」
火葬場にて
第６章　厳寒の三角州にて
まれにみる寒波が
心温まる女性ふたり
「死んでしまえば敵も味方もない」
あだ名と写真を根拠に
桶職人と竹の子ご飯
失われた第二関節
ふみにじられた美談
第７章　天竜川のほとりにて
手づくりの麻雀牌
「ああ、生きていたか」
ガラスの眼
鉄のドアの音が
第８章　立ち直った未亡人たち
初の女性神主として
仏教婦人会会長として
エピローグ　戦後補償を論ずる前に