戦後科学技術の社会史
はじめに(中山茂)
1 占領期
戦時科学技術の解体(中山茂)
『コンプトン・レポート』に見る日本の戦時研究体制(松本三和夫)
原爆調査1-その意味(笹本征男)
原爆調査2-その限界(笹本征男)
サイクロトロン破壊(吉岡斉)
「DDT革命」-GHQの公衆衛生政策(溝口元)
第七三一部隊を利用した研究者たち(常石敬一)
理研の解体と再編(常石敬一)
地質学会の民主化(八耳俊文)
品質管理の導入(中山茂)
2 一九五〇年代
トランジスタ研究の曙(吉岡斉)
共同利用研究所の発足(吉岡斉)
形成されなかった兵器産業の「官産複合体」(吉岡斉)
原子力研究・開発のスタート(常石敬一)
ビキニ被災事件と放射能調査(笹本征男)
大衆娯楽の科学観(高坂健次・元浜涼一郎)
幻の科学技術「省」構想(田中浩朗)
第一次南極観測隊の成功(八耳俊文)
「二元的体制」の成立-宇宙科学の草創期(吉岡斉)
「科学部」誕生(牧野賢治)
技術導入か自主開発か(常石敬一)
国産乗用車量産までの歩み(常石敬一)
エネルギー革命と原発推進のロジック(吉岡斉)
「日本原子力発電」設立における官民の対立(吉岡斉)
3 一九六〇年代
『暮しの手帖』と商品テスト(高坂健次・元浜涼一郎)
資本自由化への危機意識(田中浩朗)
マンパワー計画の破綻(荒井克弘)
「中研ブーム」の問題点(常石敬一)
コンピュータ産業の健闘-通産省の保護育成策(中島秀人)
強さの秘密を探る-コンピュータ企業の歴史的特殊性(中島秀人)
原子核将来計画の縮小に見る「バランス感覚」(吉岡斉)
農業生産技術の「近代化」(鈴木善次)
「コメを食べると頭が悪くなる」の顛末-食生活の転換と栄養学(吉岡やよい)
東海道新幹線の実現-「夢の超特急」までの紆余曲折(小山徹)
国産品愛用キャンペーンの効用(高坂健次・元浜涼一郎)
筑波研究学園都市の建設-国立試験研究機関の集中移転(塚原修一)
技術開発力の経済に持つ意味-通産省の大型プロジェクト(田中浩朗)
民間航空の大衆化時代と安全確保(三宅宏司)
軍学協同批判キャンペーン(吉岡斉)
全共闘の目指したもの(常石敬一)
医師・医療不信の来歴(大林雅之)
4 一九七〇年代
反公害運動が変えた政策施行の流れ(中山茂)
三大薬害はなぜ起こったか(常石敬一)
科学技術神話の崩壊(常石敬一)
環境アセスメントの定着(中山茂)
公害・環境報道の担い手たち(若松征男)
品種改良と環境制御による第一次産業の生産効率化(戸田清)
シンクタンクのライフサイクル(荒井克弘)
産業構造の知識集約化(塚原修一)
ソフトウエア産業の成立(名和小太郎)
軍用機自主開発の挫折(吉岡斉)
原発立地と反対運動(吉岡斉)
自動車産業の公害対策(常石敬一)
核燃料再処理工場の顛末(吉岡斉)
オイルショックとエネルギー戦略の萌芽(後藤邦夫)
代替エネルギー政策と環境問題(松本三和夫)
組み換えDNA実験の規制(米本昌平)
医療の現代化から生まれたバイオエシックス(米本昌平)
エネルギー危機と核融合研究の興亡(吉岡斉)
5 一九八〇年代
日米の軍事技術供与にみる安保優先の姿勢(常石敬一)
ハイテク医療の功罪(上林茂暢・坂口志朗)
情報化の社会的影響(元浜涼一郎・高坂健次)
知的所有権をめぐる試行錯誤(名和小太郎)
高温超電導体の発見(吉岡斉)
海外技術情報の収集-頭脳流出から「ただ乗り」論まで(中山茂)
民間R&Dのグローバリゼーション(沢田芳郎)
岐路に立つ宇宙開発国産化の試み(吉岡斉)
米国の拡不拡散体制強化策と日本(吉岡斉)
日本の基礎科学は弱体か?(中山茂)
地球環境ブームの実態(中山茂)
あとがき(吉岡斉)