カケモノ
第1章 東京
東京のプロフイル
至るところに分裂症状
どん底の浮浪児群
横行するパンパンガール
吉原を好む外人記者
「ハウ・マッチ?」
エロ本・ダンス・インチキ屋
高級車階級と満員電車階級
占領軍高級将校の行状
第2章 民主主義
プレスクラブ
G・H・Qの迷宮廻り
軽音楽に乗る改革
映画政策と低能児
婦人精神病理学者
帝国主義の新しい形態
厄介な仕事に突入した宗教課
G・H・Qのハムレットたち
食糧担当将校魚に協力を訴える
能楽・茶道・生花
日本人のテンポののろさ
第3章 デ・モ・ク・ラ・シ・ー
卒直でない日本人
G・H・Qと共産党
乱闘国会
女権拡張論者
収賄か?政治献金か?
マッカーサー大統領
被征服者の誠実
おかみさんの交換
金がかゝる民主主義
おめでたい改革者たち
第4章 お花見
お濠端の春景色
日比谷公園
蜜柑の実る盆栽
吉田健一
「戦艦大和」の吉田満
キリスト教団の活動
桃林の見える村
戦争未亡人の運命
田舎料理
一夕の風流
名詩迷訳
第5章 旅行
靖国神社
生花のテーマ
優勢な反マッカーサー派記者団
昇降機の弾痕
非合法旅行
第三国人たちと会う
東京駅の二つの世界
煙草に飛びつく日本人
美しい京都
ミヤコ・ホテルのアメリカ人
第6章 京都
G・H・Qの新聞政策
ニッポン・タイムスの発禁
世界一の新聞
京都の着倒れ
名所廻り
俗悪な平安神宮
竜安寺の石庭
世界に類のない酔払いの醜態
宴会費用はどこから出る?
幽玄な茶室の静寂
あたりを払う老妓の貫録
癖の悪い外国紳士
ゲイシャ組合の結成
第7章 軍政部との接触
京都軍政部週例部会
日本は不可解な国
増加する少年犯罪
一人残らず脱税の疑い
嫌われるMP
最も傲慢な国民
都の真中の貧民窟
犯罪と伝染病の温床
効果を上げた公衆衛生部門
厄介な人口問題
支配者の歌
第8章 魚はどこに行くか?
舞鶴
PX仕立ての魚市場の男
でたらめな帳簿
軍政部の代表会談
大尉の夫婦喧嘩
漁場見物
日本海軍の残骸
トロール船上の饗宴
料理屋に氾濫する魚・魚
第9章 法主の秘密主義
西本願寺
橋本教授
ギャングの横行する巷
帝銀事件
アメリカ式教育制度
西本願寺法主大谷光照
軍政部頭痛の種
浄土宗組合運動
共産党シゲ氏と法主の会談
日本の寺院
法主は不正直者か
「鴻の間」
蓮如上人追善祭
利用された進駐軍
行方不明の五千三百万円
第10章 民情見学
呑み友達の法務官
闇市場見学
裏町の中華料理店
法務官の闇取引不成功に終る
一瞬の愛を盗む
日本から得るもの
第11章 日本の作家
谷崎潤一郎
お能見物
難解な芸術
非フエミニスト谷崎氏
祇園
日本画家ミナカタ氏
河井寛次郎
黙殺された無名作家の誠実
ハックスレーに似た河部友治氏
あるエピソード
似面非文化人
第12章 再び政治について
「読物」を望む新聞
「固い記事」
過剰人口のはけ口
活動的な共産党員
「赤」の恐怖と軍事基地建設
歪められた労働法
反動勢力の擡頭
野坂と徳田
国会に集る山師と便乗者の群
憲法の成立と戦争放棄
芦田パンパン内閣の倒壊
吉田首相と会見
天皇とG・H・Q
熱狂的歓迎を受ける天皇巡幸
第13章 日本の悲劇
不可解な地震の心理
信用されぬ日本情報
福井大地震
爆撃と震災に打ち砕かれた街
廃墟は立ち上る
共産主義者を追う大佐
トナリグミの復活
辛抱強い婦人達
大地を信じられぬ日本人
第14章 アメリカの悲劇
呉の駐日英軍本部
日本に興味をもつことは非愛国的か?
ヒロシマ見学
不吉な原子力委員会の建物
人類失敗の証拠
不愉快な自尊心
薄気味悪い歓待ぶり
ひびの入つた世界平和祈念碑
騒ぎ立てた外国人
原子爆弾を落したのは誰か?
受難を新時代の警鐘に!
第15章 休養
猛暑の東京
ロシアの煤煙
重荷に喘ぐ老婆
軽井沢
浅間山の噴煙
MPに注進するドイツ人
日本通の牧師
葬式は仏教でやるキリスト教徒
ヴィナスとあんま
草津温泉
狂気のやうな小唄の合唱
すばらしい日没
あゝ!「進駐軍歓迎!」
第16章 愉しい山村
長野県伍和村
早大出身の駅長
みごとな日本人の連絡機能
座席を占める亭主
名古屋の学生
「フランス革命」
日本の風呂
宿泊料百円也
闇に流れるPX商品
孝行の観念
農地改革の実情
共産主義問答
個性のある百姓の顔
満洲引揚者
西洋の来ない一隅