大艦か小艦か飛行機か
第1 潜水艦か戦闘艦か
一大研究問題
問題の基点及要点
注目すべき非大艦論の一斑
米国は何故に日本を恐るゝか
敵艦撃沈は戦闘艦隊の任務でない
大艦は金を棄てるものである
此の上は経世家の責任なり
第2 海軍に対する不信不安
『もつと、もつと』主義
戦前の製艦競争
実戦の経験に失望す
将来戦争あらば如何
日本と競争せねばならぬか
第3 戦闘艦は時代後れである
非大艦論の要旨
戦闘艦の時代は去つた
戦闘艦を喰物にする
将来の海軍を如何に定めるか
航続力五万浬の潜水巡洋艦
商路保護の一提案
第4 戦闘艦無きも恐るゝに足らず
戦闘艦の不利欠点
戦闘艦は遠攻に適せず
将来の主力艦は小巡洋艦か
戦略問題は素人にもわかる
第5 最大戦争の一大教訓
攻防の利不利
戦闘艦隊の陣立
日米戦争は不可能なり
潜水艦も遠征に不利なり
第6 大艦主義の愚=巨艦も砲弾の為に撃沈さる
製艦政策の行詰り
軍艦は専守防禦に出づ
装甲は砲弾に敵せず
第7 戦闘艦は依然海軍の主力である
大艦論の要旨
主力艦は宛かも重砲の如し
戦闘艦隊の主要任務
独逸は何故に水雷戦に出でたか
商船の破壊は覚悟せねばならぬ
商船破壊策の無効
制海権の語は相対的なり
敵は失敗を自認す
第8 潜水艦の功用を過大視すべからず
制御すべからざる武器ではない
分に過ぎたる光栄を担ふ
潜水艦の敵は潜水艦なり
水雷は当になる武器でない
何故に一時猛威を揮つたか
英国海軍省の怠慢
地中海に於ける敵の跋扈
商船護衛にも不向である
敵将校の無能を咎むるを得ぬ
第9 航空機将来の使命
飛行機は潜水艦よりも有力である
最近海戦に於ける経験
準備を怠るの害
飛行機には敵なし
将来唯一の攻撃武器
将来と現在とを混同してはならぬ
第10 慌てゝ軍艦を製造するに及ばぬ=製艦競争は結局文明の破壊である
問題は今尚未定である
米国との競争を恐る
本問題両論の概評
本問題は机上の空論でない
英国海軍省の意見
製艦政策の将来日米両国と協定せよ