敵中横断三百里

明治天皇の苦悩と覚悟
夜ふけの宮中に
望まない開戦
大任を果す者
大敗全滅の不安
小国の悲しみ、亡びる不安
日本人の義憤
日本列島を基地にして
今までにない冒険命令
指して行くえは敵の心臓へ
すごい餅をもらった！
生別は即ち死別
天皇陛下と祖国へ告別
爺と若い男
変装の大頭領
死生は天命だ
迷う白雲の彼方に
ああ遂に来た！
明るい氷の上
どうだ？　どうだった？
白パンは危険だ
非常より以上の喜び
風前の灯火
痛快、微笑、危険
確かに日本兵
いずれの日にか祖国日本へ
目の前にある死
名馬と絶壁
再び突破し再び囲まる
健気さ可愛さ
今こそ日本人の本領を
死の前の感覚
人馬同心
五人とも泣いた
シナ人に変装？
月下十字路の血戦
決意、断行、忍耐
絶壁四千メートル
死のう、いや、生きよう
血路の襲撃
二重三重四重の突破行
最後に出た斥候長
白地に赤く
みんな覚えていない
雪と粟と醤油
積雪の下に眠った五人
愛馬跳躍
天候を祈る斥候長
雪の下に動かない五人
絶えまなく死と直面
死から生の別世界へ
大人、ほんとうだよ
なおまだ敵中だ
無言の通過
日本軍の馬隊が
感動された明治天皇
総司令部の迷い
六人とも帰った
挿絵あり