敗北の記録

第１章　黄昏のローマ
マルセイユの凶報
杉田陽之助
仏跡を追ふ
公電
ゴルフ場にて
ステファニー通信社
木枯しのミラから
ブラジーニ邸の夜会
ムッソリーニ
ヨシコ・ベルトラメリ
ベニス宮
蝶江ローマに現る
旅愁は過去の光栄に
多忙な一夜
第２章　往く者、来る者
雪のローマ
ソアレ・ド・ノエル
山荘の冥想
入り乱れる感情
雪の別離
国際記者倶楽部
フオン・ランゲ
衆生流転
恋愛について
サンタ・ルチア
ピエール・ラバルの訪伊
ヴイラ・マダマの邂逅
ピオナ一世
第３章　春から夏へ
東洋の作曲家
レスピーギ氏の家
ロンドンの離愁
テームズを覆ふ霧
ハイレ・セラシエ一世
ヴオルピ伯
ベニス宮の秘密会議
モチーブとメロデー
フオン・ハツセル大使
ヒツトラーの意嚮を伝ふ
特種
ストレーザ会議
見えざる祖国へ
毛色の変つた国際商人
重大声明
戦争か文化か
アドリアの海辺
一夜の急変
第４章　アビシニアの熱風
アロイジ男席を蹴る
何時の日か再びローマへ
サポーリ教授の訪問
従軍
ナポリからポートサイドへ
チヤーノ伯の苦言
開戦の飛報
アズマラの邂逅
デ・ボーノ
戦線での憂欝
不時着
ジユゼッペ・ポッタイ
紅一点
チヤーノ伯生還
第５章　馬車に乗る運命
ロッソーニの決意
王との会見
前線から銃後へ
デ・アルデイジオ親子
苦脳と無軌道
梅と秦助
下剋上
ハッセル・杉田会談
地下に蠢く
あざなへる縄
東と西
忘我の勝利