神奈川県史 各論編 1
神奈川裁判所の設置をめぐる内・外情況
はじめに
新政府外交の発足
東征東海道軍路線
国際関係路線
草莽から自由民権へ-相州荻野山中藩陣屋事件をめぐって-
問題の所在
在地型草莽について
荻野山中藩陣屋事件の再検討
草莽から民権家へ
むすび
明治初期における西相模の政治と民衆-足柄県の統治に触れて-
はじめに-新旧交替
足柄県の再編成
政策の浸透と受容
新教育の推進
民富形成の基盤
漁業の夜明け
おわりに
明治初期の質地および質入状況-真土事件を通して-
はじめに
明治初年松木家の質地所持状況
真土村を中心とした質入形態
有合質地の状況
津久井郡自由民権運動史
津久井郡の精神的風土
自由民権運動の起こり
自由民権運動の発展
津久井困民党事件
あとがき
自由党史研究のために-「自由党本部報道書」の紹介をかねて-
はじめに
自由党の財政事情
自由党の解党について
明治二十年代における一民権家-『星谷理助日記』を手がかりに-
はじめに
上田忠一郎と政治運動
立憲自由党員としての活動
武相中央鉄道敷設をめぐって
おわりに
自由民権運動における神奈川県立憲改進党の動向
はじめに
立憲改進党傘下の民権結社
神奈川県同好会と民党運動
まとめ
横浜における永代借地問題について
まえがき
家屋税国際仲裁判の影響
強制執行見合の外相訓令と国庫補助の要請
大正初年横浜市の財政苦境と外交当局への反発
震災直前とその後
むすび
神奈川の地方誌『新潮』と『進歩』の主張-政界縦断構想 大日本膨張論への転回-
はじめに
「文明の先駆者」論から国家膨張論へ
民党連合論から政界縦断論へ
雑誌『進歩』の残したもの
明治末期の社会主義運動-神奈川県西部を中心に-
はじめに
社会主義普及活動
加藤時次郎別荘と社会主義者
大逆の僧内山愚童
工業地帯形成期の町村の動向について-川崎町の工場招致政策を中心に-
問題の所在
明治後期の川崎地域の状況
多摩川の治水と川崎地域
町是「工業招致」と石井泰助
工業招致と公害問題
むすび
京浜工業地帯成立期の都市問題-一九一〇年代の川崎を中心に-
まえがき
臨海地区の埋立・造成と工場誘致
人口の増加・集中と川崎町の変化
労働者の住宅問題と公衆衛生
通勤交通問題と上水道敷設
まとめ
明治・大正期の村の生活感-高座郡相原村の変遷-
手記を遺した相沢菊太郎
村の風景の変化
大正デモクラシー期における横浜市政の動向
はじめに
市制改正と選挙区撤廃問題
名望家の後退と官僚の進出
政治指導者の変化と協調市政への道
武相労働連盟論-デモクラシーからファシズムへの旋回-
はじめに
武相労働連盟の成立-普選体制への幻想-
神奈川自治党運動-地方無産政党主義の選択と挫折-
日本造船労働連盟への改称-ファシズム労働運動への転換-
おわりに
昭和恐慌と農村経済更生運動-石碑が語る「ある山村」の昭和史-
はじめに
恐慌下の農村と農民の姿
不況と疲弊からの脱出へ
県農事特別奨励地の展開
おわりに
神奈川県下の海外移住
はじめに
統計から見た神奈川の海外移住
横浜港と海外移民
神奈川のアメリカ村
第二次大戦後の海外移住
相模原地域に生きた農村女性
はじめに
女に学問はいらぬといわれた時代に
娘たちの日々
製糸工女たち
母として主婦として
生産のにない手
戦のかげに
おわりに
在日朝鮮人の生活史
朝鮮人労働者層の形成と大震災
労働運動の昂揚から戦時体制への推移
むすび-戦後史の展望
神奈川における近代の部落問題
はじめに
人間の平等と自由を求めて
部落差別の解消をめざして
部落差別の撤廃を求めて
ファシズム期の融和運動
むすびにかえて
戦争と民衆-市民の日記による考察-
民衆像の多様性
生き続けた批判精神
天皇制ファシズムの民衆的基盤
戦争の激化と愛国主義者の矛盾
勤労意欲の低下と厭戦気分
本土決戦体制と民衆
敗戦による急激な目ざめ
戦後食糧問題の一場面
はじめに
政府の食糧輸入要請
総司令部、アメリカ政府、極東委員会
遅配の進行と食糧対策
知事の食糧放出要請
食糧放出の意味
戦後労働運動の創始-東芝堀川町工場における「従業員組合」の結成-
はじめに
前提
「従業員組合」の結成
工場側の対応
おわりに
神奈川県公害防止条例の変遷過程
はしがき
一九五一年「神奈川県事業場公害防止条例」の制定
一九六四年「公害の防止に関する条例」の制定
一九七一年「神奈川県公害防止条例」の制定
開発調整期神奈川の公害行政
-神奈川県と横浜市の自治体行政をめぐって-
「公害の防止に関する条例」の基本的性格
県公害行政規制的誘導から助成的誘導へ
横浜市「だれでも住みたくなる都市づくり」と公害防止契約
「良好な環境の確保」への県下公害行政目標の価値転換
自治体の諸問題-県下革新自治体の消長と関連させて-
はじめに
五〇年代以降の県下における重化学工業化
革新自治体誕生の基盤
県下革新行政の特徴
革新自治体基盤に関する今後の課題
おわりに
一万人市民集会の経緯とその時代
はじめに
革新市政の誕生と市民集会の否決
市民による自主開催にいたる経過
一万人市民集会の背景と課題へ
新神奈川計画
「新神奈川計画」を前進させるために
「社会計画」としての「新神奈川計画」
自治と分権の新神奈川計画
「新神奈川計画」の主要な実績
新しい地域計画をめざして
神奈川の現代史像再構成のために-地域性を中心に-
現代に刻む県史編纂の視点
近代の地域性の原型
地域の複合的変動の構図
地域を支えた人間像の再検証
執筆分担一覧有り