聖徳太子の信仰思想と日本文化創業
序説
東亜大陸文化と日本
推古朝と明治時代
日本文化創業開展の綜合的指導者
聖徳太子の内治、外交
山鹿素行、伝教、親鸞の太子讃仰
太子研究の意義と方法
序説附 聖徳太子の体験過程
建国創業の旧地、大和国原と太子御幼年の環境
日本文化創業の御自覚
仏教採択の可否
氏族の軋轢
朝鮮半島諸国の勢力争ひと日本の内政紊乱
思想学術の綜合と拾七条憲法
冠位十二階、暦法の制定
国史撰修と朝礼の粛正
遣隋使と学生、学問僧の派遣
堂塔建立と宮中講経(勝鬘、維摩、法華、三経の講述)
第1篇 聖徳太子の人生観と政治生活
日本民族文化と大陸文化の接触交流
国民生活の内的改革と三宝興隆
大乗菩薩の行願と天下の道理
憲法第一条と第十条―蒼生と共なる道
自他分別の心理を批判する内的平等観
論語の「和」の思想と太子憲法の「和」
大乗教化思想に残留せる抽象的理想追求の冥想観念
高踏的救済思想に対する太子の御批判
三経義疎御述作の精神
他と苦楽を共にする菩薩業
法治と徳治、折伏と教化
制度政策を統御する人の問題
第2篇 聖徳太子の信仰思想と国民精神
「自行能はずんば安んぞ衆を済ふを得ん」
「共に是れ凡夫のみ」
「善を行ずるの義は本帰依に在り」
常住法身と帰依の対象
世間虚仮、唯仏是真
仏法僧の意義
一体三宝と別体三宝
太子の御言葉と明治天皇御製
拾七条憲法と管子の階級的対立観
君臣、天地、如来と衆生、親と子
太子の御精神の源、記紀の歌謡と神話
古事記に表現せられたる現実的民族精神と君臣の関係
万葉集防人の歌、憶良の歌
世界文化の潮流に接して日本の民族精神がいかに開展するか―
日本民族永遠の運命に関する問題を解決されたる太子の御偉業
聖徳太子憲法拾七条
聖徳太子年譜
聖徳太子の時代についての解説(高木尚一)
黒上正一郎遺歌抄