英国海軍戦史 第5巻
『Naval Operations (Vol.5)』の翻訳。
第1章 潜水艦戦(一九一七年四―八月)
船団護衛法の発端
船団護衛法と米国海軍の援助
対仏石炭貿易
英蘭間通商航路の哨戒
米国海軍より増援来る
フランダース・バイトの情況(一九一七年四―五月)
潜水艦戦(一九一七年五月)
第一回船団護衛(一九一七年五月)
フランダース・バイトの情況(一九一七年五―六月)
船団護衛(一九一七年六月)
潜水艦戦(一九一七年六月)
フランダース・バイト作戦(一九一七年七月)
独国の信念初めて動揺す
独逸艦隊の騒擾
第2章 地中海の情況(一九一七年八月乃至一九一八年四月)
カルソープ中将オートラント防潜堰の効能を主張す
聯合国海軍会議地中海に船団護衛法を適用すべきを決議す
日、英、仏、伊参加の馬太委員会地中海の運航を管制す
海軍本部直轄の英本国埃及間直行船団
聯合側海陸軍協同してガザを攻略す
独潜UC三八モニトル及駆逐艦各一隻を撃沈す
地中海の船団航路と其の護衛分担
オートラント海峡固定防潜網堰の実験
リッツォ伊国海軍大尉艦載水雷艇にてトリエスト港を襲撃し墺国老朽戦艦「ウヰーン」を雷撃撃沈す
フォン・レベウル・パシュウヰッツ中将スーホン提督に代りて独逸地中海艦隊司令長官となる
日本第二特務艦隊地中海上の輸送船護衛に活躍す
「ゲーベン」「ブレスラウ」の出撃に関するフリーマントル少将の判断及準備
ヘーズ・セードラー少将エーゲ海艦隊司令官に補せらる
独将フォン・レベウル・バシュウヰッツはダルダネルス峡口外の機雷敷設面の現状を知るに苦心す
英国エーゲ海艦隊の兵力配備(一九一八、一、二〇現在)
「ゲーベン」「ブレスラウ」愈出撃す
「ゲーベン」触雷せしも尚行動に堪ふ
「ブレスラウ」触雷の結果沈没す
「ゲーベン」再度触雷して峡内に退却座礁す
飛行機の爆撃奏功せず潜水艦を以て「ゲーベン」の撃滅を図る
「ゲーベン」離礁してボスポラスに曳航さる
エンヴェル・パシャ出撃の不結果に憤慨す
地中海局地船団護衛好成績を示す
ドーヴァー、オートラント両海峡防潜堰の比較
第3章 英国内海に於ける潜水艦戦と船団護衛制度の拡張
一九一七年八―九月の情勢
潜水艦戦―「Q」船の大敗(一九一七年八月)
船団護衛制度の組織並に運転
聯合国海軍会議(一九一七年九月)
船団護衛制度実施の情況(一九一八年九月)
第4章 内海に於ける潜水艦戦と船団護衛制度の拡張(一九一七年十―十一月)
北海作戦(一九一七年十月)
スカンヂナヴィア船団と船団護衛制度(一九一七年十月)
ヘリゴランド・バイト海戦(一九一七年十一月十六、十七日)
第5章 一九一七年末に於ける内海の情況
ドーヴァー海峡防潜網堰(一九一七年十一―十二月)
スカンヂナヴィア船団第二次襲撃(一九一七年十二月十一、十二日)
潜水艦戦(一九一七年十二月)
第6章 内海の情況(一九一八年初頭)
北海に於ける対潜作戦の種類
対潜通商保護の為艦隊兵力の戦略的分割を敢てす
大艦隊司令長官ビーティー大将「犠牲を論せず敵に艦隊戦闘を強要する」の方針を暫く離れ、「一般情況の改善
海軍本部北方機雷堰の敷設を遂行し、同時にヘリゴランド・バイト機雷敷設面を完成維持するの方針を決定す
独逸駆逐隊ヤーマスを急襲す(一月十四日)
ドーヴァー海峡の防備(一九一八年一、二月)
聯合軍左翼に対する独逸水雷戦隊の襲撃(三月二十、二十一日)
大海艦隊最後の出撃(一九一八年四月二十二―二十五日)
第7章 ゼーブルッガの閉塞(一九一八年四月二十二―二十三日)
ゼーブルッガ港閉塞計画の由来
キース少将軍令部計画課長に就任す
キース少将ベーコン中将に代りてドーヴァー哨戒隊司令官に就任す
突堤強襲艦「ヴィンディクティヴ」の特殊施設
各閉塞艦の特殊施設
クロール・サルフォニック・アシッドを主剤とする発煙装置の発明
オステンド及ゼーブルッガ海岸の防備概況
ゼーブルッガ突堤の状況
キース少将の閉塞計画並に準備
風候利あらず壮挙二度中止さる
閉塞愈決行さる(四月二十二日)
敵弾暴注「ヴィンディクティヴ」艦上死傷続出す
突堤襲撃隊の編制並に乗艦区分
突堤横附位置予定の如くならず襲撃隊苦戦す
突堤錨の固定に関し数士剛勇を発揮す
閉塞艦隊の行動
ヴィアダクト爆破潜水艦C三号指揮官の沈勇
各閉塞艦無事進入す
遠征隊の引揚
オステンド入港標識浮標転位し居たる為各閉塞艦港外に擱座す
ゼーブルッガ港の閉塞予期の如く成功せざりしも当時英軍其の効果を過信す
オステンド閉塞の再挙
潜水艦戦(一九一八年五月)
第8章 地中海の情況(一九一八年四―九月)
西部戦線の強化を目的とする兵力の移動
英国軍隊輸送船「キングストニアン」独潜に雷撃されし後擱岸す
オートラント海峡防潜堰
防潜堰部隊の兵力並に配備
モーター・ランチ四一号独潜UB七一を撃滅す
墺国駆逐艦五隻オートラント堰を襲撃す
聯合国海軍会議地中海に於ける兵力配備変更を議す
伊太利海軍当局其の弩級艦戦隊をして仏国艦隊司令長官の令下に訓練を受けしむるを肯ぜず
露国サブリン提督黒海艦隊に復帰し、弩級艦二隻及駆逐艦約十五隻を率ゐてノヴォロシスクに離去す
独軍セヴァストポルに到着す(五月二日)
オートラント海峡移動堰部隊の戦績挙らず
独潜軍隊輸送船「オムラー」及「パンクラス」を雷撃撃沈す
英国駆逐艦「フィーニックス」オートラント堰にて独潜に雷撃撃沈さる
米国海軍サッビオンセロ半島を攻略してカッタロ港の兵站線を海陸両正面に於て遮断せんことを提議す
仏国戦艦三隻駆逐艦六隻及潜水艦四隻エーゲ海艦隊に増援さる
仏国増援艦隊司令官英国エーゲ海艦隊司令官よりも先任なり
露国黒海艦隊の取扱に関する露独協定
リッツォ伊国海軍中佐単独墺国弩級戦艦「ツェントス・イストヴァン」を雷撃撃沈す
聯合国会議オートラント堰部隊所属仏国駆逐艦十隻を至急ミュードロスに派遣することを決議す
在地中海局地船団航路次第に増加す
ブルガリヤとの休戦及其の条件
第9章露国の政情と北露作戦
聯合国の露国に供給せし軍需品アルハンゲルスクに堆積す
独逸潜水艦戦を北極洋に及ぼす
ケムプ代将アルハンゲルスク越冬の英国海軍部隊を指揮す
露国の帝政崩壊しケレンスキー新政権の牛耳を執る
極左党ソヴィエットを組織して人民及軍隊に呼びかく
露国の陸海軍其の兵士の支配する所となる
ケレンスキー聯合国に対し軍需品供給協定の実行を迫る
ケレンスキー政府倒壊して労農ソヴィエット政権を握る
労農政府「民主的講和の為即時停戦」の声明を発す
ブレスト・リトフスクに於て露独墺休戦協定成る(十二月三日)
ブレスト・リトフスクに於て露、独、墺、勃、士間講和会議開かる(十二月二十二日)
露国全権ヨッフェ民主的講和の基礎的条件を陳述す
議長墺国外相ツェルニン伯ヨッフェに応酬す
独墺側は聯合側も亦露国提案の原則に同意することを以て和議受諾の条件となす
独逸の提案せる講和基礎条件
和議決裂す(二月十日)
露国独逸に対し講和条件受諾を急告す
露国遂に単独講和を為す(三月三日)
英軍の北露に駐在する理由
ムルマンスク州の政権同地方ソヴィエットに帰す
英国海軍本部北露派遣部隊を増援す
ムルマンスク・ソヴィエット英軍に対し対独防衛に協力を哀求す
露国赤衛軍組織さる
芬蘭人の北露襲撃に対し聯合軍及赤衛軍協同して防衛す
チチェリンはムルマンスク・ソヴィエットに対し聯合軍より援助を受くべからずと戒告す
独潜の活躍中央ソヴィエットをして聯合軍の北露撒退を要求するの決心を為さしむ
海軍本部ケムプ少将に其の任務を訓令す
解放俘虜チエック兵西伯利亜に集中す
英国政府チエック兵を鉄路アルハンゲルスクに輸送して之を訓練編成し以て独軍の侵入に対し北露を防衛せしめ
英国政府チエック兵訓練及北露防衛の為北露に増兵す
ムルマンスク・ソヴィエット中央政権に背きて聯合側に倚るの決議を為す
聯合軍過激派軍隊と衝突して之を撃退す
廃帝ニコラス二世及其の家族虐殺さる
英国政府食料品を与へてアルハンゲルスク集積の軍需品を引取らんことを策せしも不成功に畢る
アルハンゲルスク揚陸作戦開始さる
聯合軍ドゥヴィナ河口の要地ムデュグスキー島を占領す
聯合軍アルハンゲルスクを完全に占領す
過激派軍南方に退却しアルハンゲルスク州会議成立す
浦塩の情勢と聯合軍のチエック軍援助
聯合軍アルハンゲルスクよりしてチエック軍との提携を策す
ツンドラ地帯の特性
ドゥヴィナ河上海陸軍協同作戦開始さる
ジョスリン陸軍大佐陸上部隊指揮官に任命さる
アルサム大佐ドゥヴィナ河上部隊先任将校に任命さる
米国歩兵来援す
聯合軍ベレツニクに冬営し河上部隊アルハンゲルスクに後退す
チエック軍西進部隊ウラル河に於て過激派に阻止さる
西伯利亜及南露の情勢
露人因循進んで聯合軍に協力せず
第10章 ゼーブルッガ閉塞戦後の情況―北海機雷堰設置作業と米国沿岸の潜水艦戦
独潜米国陸軍の輸送を妨害せんとして成功せず
北方機雷堰に於ける米国製機雷の自爆頻出
通商保護戦着々勝利を収む
一九一八年五月中英吉利内海に於ける喪失独潜
ドーヴァー海峡深深度機雷敷設面厳密哨戒奏功して大型独潜悉く北廻航路を迂回するに至る
フランダース潜水戦隊の一部英蘭東岸沖に行動の為本国に招還さる
フェーロー群島方面独潜掃蕩戦(水中聴音機使用)
ビーティー長官北方機雷堰の効果に関し慊焉の情を示す
海軍本部愛蘭北方に於ける独潜の船団攻撃に備ふる為北方哨戒隊基地をバンクラナに移す
北方機雷堰をして独潜の死に陥穽たらしむるの期待を棄て、単に之が危険障碍物たらしむることに已む
ハーリッチ部隊エムス河口の方向に敵潜掃蕩を実施す
英軍発動艇隊独軍飛行隊と激戦を交へて敗る
航空母艦「フューリアス」の飛行隊トンデルン飛行船格納庫を爆撃す
米国沿岸に於ける独潜の活躍
北方機雷堰東辺の哨戒不十分にして効果薄きを憂へらる
独潜諾国領海を利用しつゝあるに鑑み、同領海内に機雷敷設を断行せんとの議起る
英国政府及大艦隊諾威の中立を干犯するを欲せず
第11章 地中海の停戦
仏軍との折衝に依りブルガリア休戦を許さる
海軍本部第一軍事委員対土休戦条件中聯合国艦隊の黒海進入を第一とし、又該艦隊の指揮官英国将官たるべきこ
カルソープ中将ミュードロスに移動して直接艦隊の指揮に当る
エーゲ海艦隊に英国戦艦三隻増援さる
クットの降将タウンセンド陸軍少将土耳古政府に依り釈放さる
土耳古政府英国側との休戦交渉を希望す
カルソープ中将対土休戦交渉に関し訓令を受く
英土休戦交渉開かる
仏国エーゲ海増援艦隊司令官アーメ中将対土休戦交渉参加を申入れ、カルソープ中将断然之を拒絶す
英土休戦協定調印さる(十月三十日)
伊太利海軍将校魚雷を抱きてポーラ軍港に進入し、爆弾を装着して墺国弩級戦艦「ヴィリブス・ユニティス」を
墺匈国艦隊ユーゴースラブ国民政府に引渡さる
伊太利政府墺匈国との休戦交渉並に実施に就き聯合国政府より委任を受く
伊墺休戦協定成立し全地中海の戦闘行為中止さる(十一月四日)
独潜英国老朽戦艦「ブリタニア」を雷撃撃沈す
第12章 独軍のフランダース撤退と休戦
一九一九年中の潜水艦戦に関する英独両側の予測
英国海軍本部独軍艦艇のフランダース根拠地引揚を予察して之が遮断を策す
独軍ランス―アルメンティエール間の陣地より撤退を開始す(十月三日)
バーデン公爵マックス独逸宰相に任ぜらる
マックス宰相休戦調停を米国大統領に依頼せし旨議会に於て声明す
聯合側の対独墺休戦条件骨子
聯合国海軍代表会議作戦の対独休戦条件
米国大統領の第一回対独回答要領
ウイルソン氏の十四箇条聯合国首相に危惧を懐かしむ
聯合国首相会議代表派遣をウイルソン氏に勧誘す
独墺両国政府ウイルソン氏の回答に対して更に回答す
講和条件に近似する休戦条件中敵国艦隊の取扱方につき
ウイルソン氏の第二回対独回答の語調強硬となる
独逸政府休戦交渉の継続を希望する旨ウイルソン氏に答ふ
シェーア大将潜水艦全部を招還し且ヒッパー中将に対し大艦隊を率ゐて出動しテームス河口に対し作戦すべきを
海軍本部北海の情況異常なりと大艦隊に警戒す
ウイルソン氏独逸に対し休戦調停受諾を回答す
独逸の現情に関する情況判断
独逸政府ウイルソン氏に答へて重ねて休戦を要請す(十月二十七日)
ジヤットランド海戦直前の如き情況北海に現出す
兵員抗命の結果大海艦隊最後の出撃中止となる
独逸艦艇の引渡に関し英仏両国意見を異にす
聯合各国の一致同意せし休戦条項
フオッシュ元帥海軍休戦条件を作成して首相会議に提出す
ロイド・ジョージ氏ウイルソン氏の十四箇条を無条件にて受諾し難き旨ハウス大佐に申入る
フオッシュ元帥聯合国海軍会議作成の対独海軍休戦条件を非とし、英国海相之に一矢を酬ゆ
聯合国海軍会議独逸戦闘艦隊の引渡を必須条件として主張す
ウイルソン氏十四箇条第二項に関する聯合各国の異議に対して回答す
英国首相航海自由性の原則に反対を声明す
航海自由性に関する問題は追て新状況を基礎として討議することとして一旦打切となる
独逸水上艦艇の「引渡」は「抑留」と訂正さる
聯合国首相会議十四箇条に関する各国の立場に就き説明書を附して休戦条件をウイルソン氏に通知す
フオッシュ元帥及ウエミス海軍中将対独休戦交渉委員に指命さる
エルツベルゲル独逸側に全権に任ぜらる
コムピエーニュ森の対独休戦交渉
伯林に革命起り皇帝蒙〓す
独逸休戦条件を受諾し大戦終結す
海軍休戦条件の実施
ビーティー大将をして独艦の引渡及抑留に関する条項の実施に当らしめ、聯合委員会爾余条項の実施に当ること
混乱の独逸に於ける責任者との連絡方法に就き
ビーティー大将フオン・ヒッパー中将に対し海軍休戦実施の協議に干与すべき責任者の派遣を依頼す
ミューレル少将軽巡「ケーニヒスベルヒ」にてロサイスに到着す
休戦実施打合事項
大艦隊挙りて独逸戦闘艦隊を接受し、ハーリッチ部隊潜水艦部隊を受取ることに定まる
独逸潜水艦部隊ハーリッチに、戦闘艦隊スカッパに護送さる
附録
船団護衛制度
船団護衛制度に基き護送されし商船数の諸統計
地中海に於ける潜水艦戦に関する諸統計
海軍休戦条件
内海(大西洋、北極洋及ピスケー湾を含む)に於ける潜水艦戦(一九一七年二月乃至一九一八年十月)
一九一四年八月四日及一九一八年十一月十一日現在英国海軍の勢力(各属領の艦艇を含む)
各種原因による英国及聯合各国艦艇及補助船舟喪失数(一九一八年十一月十一日迄の分)
一九一八年十一月十一日迄に於ける敵国艦船喪失数
英国艦隊人員調
英国海軍従軍将兵員数調
挿図及挿絵目録有別冊附図目録有