戦記名著集 5
砲弾を潜りて(海軍少佐・川田功著)
1 初陣
『合戦準備』の号音
戦闘部署に就け!
一万八千!
打方始め!
屍を踏み越えつゝ
2 閉塞隊
総員集合ツ!
下甲板前部ツ
決死隊志願の投票箱
別れの酒を酌み交はして
爆沈用意ツ
機関部員上甲板ツ
一変した彼の性格
3 噫! 軍神広瀬中佐
第二回旅順塞隊
閃光! 爆音!噫!杉野兵曹長
英雄の最後
血書の志願
4 強行偵察
黄金山砲台の討入
惨又惨! 討入! 斬死
第一回強行偵察
候補生の最後
5 黄海の苦戦
敵艦だ! 敵艦だ
司令長官の感状
只一人の生残者
日露海戦史中の大苦戦
砲弾除けの護札
6 敵艦強襲
死か! 成功か!
連夜の襲撃
魚雷不発!!! 砲弾雨下!!!
無惨な味方の一艇
曳索切断! 敵の最後!
7 臨検拿捕
旅順遂に陥落!! 無言の勇士
密輸船追撃
大胆不敵獰猛な支那坊主
怪しき帆船を捕へて
怪しき二人の露人
平和の力
8 勇士の誇
懊悩の渚に立ちて
北海を荒す三双の露艦隊
信号誤読、死の覚悟
出航用意! 四人の女連れ!
さらば故郷の母よ! 無名の愛国者よ!
9日本海々戦(一)
バルチック艦隊
死すべき時機
敵の第二艦隊見ゆ!
皇国の興廃此の一戦
海上に漂ふ白髪の神父
忽然! 敵の駆逐艦
10 日本海々戦(二)
戦は今や酣
右舷を往く一駆逐艦
霙のやうな銃弾砲弾
トタン板を小脇に抱へ
左の腕をやられたなツ!
疼痛を堪へ忍んで
戦艦襲撃の作戦
11 日本海々戦(三)
秘密戦術
敵捕虜の告白
魚雷命中……左舷に一つ右舷に一つ
敵か味方か?暗中の
思ひきや強敵!
銀蛇に輝く四個の魚雷
12 敵将投降
鮮血滲む文吉の腕
敵の信号X・G・E!
俥賃の他に酒手を貰つた!!
夕暗深き欝陵島へ
駆逐艦の檣上に赤十字旗
敵将降伏、風浪静まれる日本海
13 武士の情
不運なりし第二艦隊
敵艦津軽海峡を
戦端漸く開かる
火の出る様な激戦
残弾僅に七弾!
凱旋の曲、ウラーの声
斜陽と鉄血(陸軍少将・津野田是重著)
1 悲哀の斜陽
斜陽の前記
斜陽の光景
2 陣中の将軍
初期の行動(其一)
剣山の攻略
露軍の逆襲
初期の行動(其二)
前進陣地の奪取
鳳凰山・于天山の占領
初期の行動(其三)
聖慮大洋の如く広し
3 総攻撃の実施
第一回強襲の失敗
対壕作業の開始
敵の枝葉を断つ
秋風警報を齎らす
第二回の本攻撃、正攻法の試練に帰す
将軍の苦衷
第三回の本攻撃、決死の奮闘
4 鉄血の惨状
人生の悲哀
至誠神明を動かす
5 鉄血の余光
露軍の運命日に窮す
四国師団東鶏冠山北堡塁を攻略す
金沢師団二竜山を屠る
東京師団松樹山を抜く
6 旅順の開城
軍使の来著、水師営の討議
先帝陛下勅語の伝達、要塞指揮権の受授
乃木大将とステッセル中将の会見
開城実施、ステッセル以下の旅順出発
入城式、招魂祭、北行
7 結論
戦後に於ける乃木、ステッセルの友情
凡眼に映じたる乃木将軍
軍服の聖者(陸軍少将・津野田是重著)
1 北上篇
雪の進軍
司令部遼陽に着く
天祐なりし黒溝台の会戦
朔風肌を刺す
敵来襲の噂
紀元節
作戦の意見容られず
2 作戦篇
両軍の兵力とわが行動
誤れる攻撃点の選定
細心な将軍
第三軍司令部
3 大会戦前篇
猛火を浴びて前進
戦線に十里の空隙
大逆襲の前夜
4 大会戦中篇
三大厄日
大潰乱大敗走
空費した一日
危く敵の俘虜
勇敢な砲兵伍長
四十五歳の老兵団
5 大会戦後篇
曠野を敗走す
再び敵の大逆襲
敵の参謀中佐を捕ふ
乗馬の腹に寝た一夜
指顧の問に長蛇を逸す
6 批判篇
軽業のような作戦
決定的でない勝利
会戦の私案概要
緩漫な追撃戦
7 追撃前篇
秋山騎兵団の北上
詔勅下る
鉄嶺を占領す
露軍総司令官更迭
敵の出没頻々
8追撃後篇
神武天皇祭
攻守顛倒す
再戦すべしと敵帥の豪語
カイゼルから勲章
下手な将棋さし
誤れる敵の作戦
宿営地変更
9 敵襲篇
敵兵南下の兆
暢気なわが軍当局
不穏な空気濃し
ミシチエンコ騎兵団大襲来
自責に悩む将軍
日本海大海戦
戦局に対する将軍の観察
10 駐軍篇
間諜の某国宣教師
追放に決す
奉天会戦
早くも講和風
最後の一戦
11 民政篇
家豚の整理
路面の改造
飲食物の取締り
陣中の娯楽
二元帥六大将の会合
12 講和篇
講和前後の陣中
講和成立す
外国従軍武官の帰国
蒙古王になり度い
13 凱旋前篇
法庫門の招魂祭
将軍も泣く
凱旋準備に忙し
復命書の失策
奇しき縁の鎌倉丸
14 凱旋後篇
マルチエンコ中尉の手紙
船は静かに黄海へ
広島上陸
入京
結論