国史の最黒点 後編
- サブタイトル
- 編著者名
- 河野 恒吉 著者
- 出版者
- 時事通信社
- 出版年月
- 1963年(昭和38年)11月
- 大きさ(縦×横)cm
- 22×
- ページ
- 25,570p
- ISBN
- NDC(分類)
- 392.1
- 請求記号
- 392.1/Ko76/2
- 保管場所
- 閉架一般
- 内容注記
- 昭和館デジタルアーカイブ
第1章 陸軍親独者の独善禍
陸軍親独傾向の由来
明治初年はフランス式依存
明治十五年ドイツのメッケル少佐雇聘
ドイツ留学者の全盛
親独傾向の変化と五列化
革命ドイツと留学生
永田中心にナチ傾向のウン醸
政治的接触の起源
日独防共協定締結の経緯
ドイツ側の申し入れに結局賛成
有田外相と本問題の処理
日独防共協定の調印
ベルリンにおける大島武官の策動
ヒトラーの魚心と大島の水心
第2章 日独伊三国同盟
防共協定強化問題と波紋
五相会議の決定と伊藤特使の差遣
大島のムッソリーニ工作
大島・白鳥のローマ会談
ヒトラー大いにあせる
リ外相、独ソ提携を大島・白鳥に内示
五相会議紛糾と内閣瓦解
筆者の見る“複雑怪奇”
政府の最後処理
親独者欧洲戦局を見誤る
ヒトラー短期戦打開に悩む
ヒトラー戦局打開法の検討
筆者は上陸作戦不能と見た
ドイツの対英侵攻成らず
ドイツの長期対策と日独提携
親独者ドイツの実力判断を誤る
二次近衛内閣と三国同盟締結
松岡外相の胸中
四相会議の決定と対独交渉
九月二十七日三国条約調印
詔書渙発その他
三国同盟締結と筆者の所懐
第3章 三国同盟と日米交渉両立せず
日米国交の調整至難
原因は日支・日独両関係
幸いなるかな、日米諒解成る
平和の女神・日米諒解案
連絡会議好調
渡欧後の松岡、諒解案に大不満
松岡とベルリン会談
松岡外相の諒解案大修正
事態は漸次紛糾
ドイツの抗議
松岡の自暴気味
松岡個性の発揮
独ソ開戦と情勢一変
ヒトラー、ソ連攻撃を決意
七・二御前会議の決定
決定された国策要綱
東条の喜びと海軍の役割
日本の対ソ態度に米国の関心
遅かりし松岡外相の追い出し
交渉紛糾と筆者の所懐
第4章 十月政変
近衛総理の苦悩
東条の政権獲得
東条に政権移行の経緯
木戸の時局収拾策が根本の過ち
後継内閣首班の選考と筆者の所懐
第5章 東条内閣と日米開戦
緊急国策の決定
緊急連絡会議の概況
東郷供述書
東条供述書
連絡会議と筆者の所懐
開戦決意の御前会議
ハル・ノートと我が対策決定
御前会議の模様
開戦準備命令の下達
対米通告の発送
戦争指導要領の決定
占領地行政要領の決定
対外処置の決定
宣戦詔書の起草
ル大統領の天皇宛親電とその取り扱い
対米交渉失敗の四因
ハル国務長官証言書
マイルス情報部長証言書
米国側対抗事情
米国の理念ないし原則主義無視の禍
三国同盟と対米毅然主義の禍
作戦準備と外交交渉併行の禍
対英外交無視の禍
第6章 海軍の便乗主義禍
大正初年の陸海相剋
概説
陸海軍双方の主張
上原陸相の単独辞職と政変
三次桂内閣の成立と瓦解
山本内閣の成立と瓦解
大隈内閣と防務会議の設置
内外の情勢と陸海軍の自粛
原内閣と陸海軍
ワシントン会議と海軍
陸軍の自粛同調
軍縮会議と陸海軍の反発
海軍とロンドン会議
陸軍と連盟一般軍縮会議
海軍に便乗主義抬頭
大角海相の便乗政策
日支事変と海軍の便乗振り
陸海軍の和協成る
松岡外相の斡旋と三国同盟成立
独ソ開戦と北守南進の一決
資産凍結と海軍の硬化
九・六御前会議と海軍の役割
総理一任と海軍の二股便乗
便乗主義ついにボロを出す
海軍の便乗主義と筆者の所懐
第7章 太平洋戦争敗北の追究
梗概
戦争目的と三国同盟との関係
本戦争は大冒険戦争である
本戦争と陸海軍の役割
最後の勝敗に対する陸海軍責任の比重
作戦指導から見た太平洋戦争の三段階
危ういかな、千載一遇の好機観
孫子の訓
今次ドイツ緒戦後の概観
東条の千載一遇観
陸海軍首脳緒戦に陶酔
緒戦は成功裡に片づく
敵を甘く見た終戦計画
緒戦後の戦争指導大綱
対米英判断
濠洲封鎖計画の経緯
東条総理の楽観演説
緒戦後の海軍施策を怠る
代表的な海軍の楽観論
米国海軍の偉大なる復興力
諸艦艇の建造
飛行機の製造
人員の募集および教育
消極より積極へ転換の海軍作戦
海軍に積極方針の抬頭
珊瑚海海戦
海軍の楽観声明
海軍の戦局楽観と筆者の所懐
米海軍開戦後の対抗策
米国側の珊瑚海海戦記
キスカ、アッツ島占領とミッドウェー海戦の失敗
山本長官の強硬主張
事は志と大違い
米国側のミッドウェー戦記
ミッドウェー戦の失敗と筆者の所懐
ミッドウェー戦失敗の影響重大
ガダルカナル戦の失敗
南太平洋方面の一般情勢
米軍のガ島反攻と一木・川口両支隊の派遣
百武軍ガ島奪回戦の失敗
大本営のガ島攻撃再興策
ガ島放棄と南方防禦線の設定
諸準備
ガ島奇襲上陸
日本軍の増強と激戦
日本軍の退勢と撤退
第一次ソロモン海戦
第二次ソロモン海戦
サボオ沖海戦
南太平洋海戦
第三次ソロモン海戦
ルンガ沖夜戦
敗因の一
敗因の二
敗因の三
箴言ついに実となる
日本海軍の誇り潰ゆ
東条内閣の弥縫政策と陸海軍の相剋
東条の政治責任無視
世間ごまかしの内閣改造四回
飛行機生産と殺気立つ陸海軍の間
政統一元化の真意
マリアナの危急と島田海相の苦衷
マリアナ防衛の大西献策
毎日新聞記者の海軍助太刀
政統一元化後の作戦指導
新統帥に伴う施策
東条・島田の神経と筆者の所懐
サイパンの陥落
諸準備
いよいよ上陸
スプルアンス提督の決心
彼我開戦
「あ」号命令の発動
小沢艦隊の行動
基地航空隊の協力微弱
敗因と筆者の所懐
サイパン地上戦況
水上および航空部隊の協力
東条内閣の瓦解
政変劇第一幕
政変劇第二幕
東条の敗因と筆者の所懐
小磯内閣成立
重臣会議の模様
小磯内閣の組閣事情
最高戦争指導会議の設置
マリアナ戦後の海軍作戦方針
新政府の戦争指導大綱
対ソ国交の更新成らず
東久迩案敗れる
外務省案も敗れる
我が海運に対する敵の破壊戦
敵の我が海運破壊戦の概況
我が戦力に及ぼした影響
小磯内閣の性格と比島決戦への期待
小磯内閣は終戦希望内閣
和平方策の挫折
フィリピン決戦の敗北
フィリピン戦の意義
米軍の攻撃要領
日本側迎撃戦私案
フィリピン防衛は至難
唯一の防衛策
台湾を目標の場合
大本営ならびに陸軍側準備
現地軍の人事異動
海軍の準備
捷号命令の内達
台湾沖海戦
比島沖諸海戦
比島基地航空隊の出撃
栗田遊撃本隊の行動
西村遊撃支隊の行動
志摩第二遊撃隊の行動
小沢機動部隊の行動
連合艦隊艦艇の損害
レイテ決戦決定の経緯
レイテ島戦況
レイテ決戦打ち切り
ルソン島持久策決まる
ルソン島我が軍の配置
米軍のリンガエン湾上陸とマニラ占領
米軍各地を掃蕩
一般計画
ペリリュウ、モロタイの跳躍台占領
マッカーサー軍とニミッツ軍
レイテ上陸
レイテ海戦
スリガオ海峡海戦
サマール沖海戦
エンガノ沖海戦
機動部隊の十一月航空攻撃
オルモック湾上陸
ミンドロ上陸
リンガエン湾上陸
第三艦隊の南支那海出動
マニラへの進攻作戦
パラワン上陸
台湾沖航空海戦は愚策
捷一号には魂が入ってない
捷一号失敗の根本因
山下軍の末路は当然
海軍軍備の過誤
緒戦後の航空施策の怠慢と国力の不足
比島戦後にきたるもの
徳川家康の場合
米軍の場合
東西戦局の大勢
日本側今後の対策
一般情勢
戦争指導大綱を決定
陸海軍の作戦大綱
硫黄島の陥落と関東大空襲
硫黄島の防備
関東空襲
米軍硫黄島に上陸開始、栗林部隊敢闘防戦
米側硫黄島戦記と関東空襲戦記
一般計画
攻撃準備の砲爆撃
東京空襲
硫黄島上陸
東京再空襲
本土防衛態勢の整備強化
本土空襲の概況
海軍当面の作戦計画要綱
陸軍側の本土作戦計画
本土決戦対策の特徴
特攻精神について
特攻と戦場自殺の区別
河辺元航空総監と米記者との問答
西洋にも特攻の歴史あり
妻子救護が犠牲心の本
日本の場合も根本は同一
君の御馬前討死
小磯内閣の瓦解
政戦両略の指導に失敗
繆斌問題の是非
第8章 鈴木終戦内閣
鈴木内閣成立の経緯
東条提言
平沼提言
鈴木に決まるまで
鈴木総理の心境
本土兵備の概要
方面軍と軍管区の制定
国内警備の強化
一次、二次兵備の発令
三総軍の制を設く
三次兵備の発令
航空兵備の充実
東京防衛軍の新設
海軍側の整備
戦時重要二法令の発布
沖縄島の陥落
我が方の諸準備
ウルシーの奇襲
米軍の上陸準備戦と我が応戦
米軍沖縄上陸開始
陸海空の我が反撃と大和の末路
沖縄南部激戦続く
戦闘漸く末期に近づく
米側の沖縄戦記
沖縄攻略の理由
作戦の困難を覚悟
作戦の部署
準備行動
上陸開始
作戦経過の概要
沖縄戦の特異性
三月の状況
四月の状況
五月の状況
六月の状況
英国艦隊の協力
沖縄戦に対する筆者の所懐
我が敗因は簡明
大本営の干渉は大害
特攻機は沖縄戦の花形
機械水雷の敷設は無意義
小磯前総理の不満
いよいよ終戦期に入る
昭和二十年五月の一般情勢
六月八日御前会議開かる
天皇御焦慮、木戸に御相談
天皇戦局収拾を御下命
七月七日、天皇総理を御督促
対ソ交渉の経緯
ポツダム宣言と我が態度
広島に原子爆弾
ソ連の対日宣戦
終戦の聖断
戦争指導会議の紛糾
閣議も紛糾
一次御前会議の開催
聖断と連合国への回答
連合国の回答
戦争指導会議またもや紛糾
閣議紛糾と当時の情勢
宮中の主なる動き
二次御前会議の開催
聖断と終戦手続き
大詔渙発と内閣総辞職
三長官三総軍司令官の申し合わせ
終戦を汚した一部陸軍軍人の暴挙
終戦時における彼我の態勢
日本本土の防衛配置
朝鮮の防衛配置
米軍の日本本土進攻計画
満洲の防衛配置
対ソ開戦の概況
終戦と筆者の所懐
叡慮宏大無辺
終戦紛糾と偉大なる副産物
開戦阻止も難いが終戦はさらに難い
ソ連仲介の終戦は鬼をつかむもの
本土決戦論の検討
今までに講和の機はなかったか
国際信義の問題
陸軍の逆上者終戦を汚す
左翼革命ついに起こらず
天皇幽閉などはたわ言
第9章 東久迩処理内閣
東久迩内閣成立事情
終戦に伴う緊急処置
河辺全権のマニラ差遣
秩序維持の処置
停戦処置
連合軍の進駐
進駐文書の受領
受け入れ態勢の整備
進駐の状況
連合軍への降伏
ミズリー艦上の調印式
詔書の渙発
公布された一般命令
トルーマン米大統領の演説
東久迩内閣の苦心とその瓦解事情
東久迩内閣の政治力
内閣瓦解の事情
第10章 結言・日本の将来
前途に光明を
第一義は政情の安定
国民道徳の向上
戦争犯罪の四要因
終戦後の世相に思う
平和に対する正視
皇祚無窮
擱筆に際して
あとがき(有末精三)
索引有り
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