『明治維新』の哲学

１　歴史の進歩とは何か
歴史のパラドックス
平和・変革・倫理の相剋
歴史の逆説をこえる原理
２　一世紀まえの先駆者
明和事件の山県大二
革命家大二の人民主義
『柳子新論』の思想
３　幕府の衰退と人民の抵抗
農民の抵抗運動の起伏
ゆれる幕藩体制
経世的洋学派の台頭
４　国民国家への幕政改革
十九世紀前半の内外情勢
二百五十年におよぶ独裁の放棄
経世的洋学派の思想を活かす改革
５　外国条約と安政の大獄
帝国主義時代に対処する意識の諸相
改革路線への反動・井伊直弼の誤算
６　御一新の思想的源泉
先駆者との歴史的な出会い
吉田松陰の政治思想―水戸学・経世的洋学・反体制論―
開国論と両立する自覚的攘夷論
７　維新変革への歩み（１）
政治主導権の移行
変革への諸障害
久坂玄瑞の実践プラン
久坂プランの展開
８　維新変革への歩み（２）
必要な真木和泉の再評価
倒幕勢力を形成した諸要因
平和路線・大政奉還への動き
９　御一新の成就と維新の明暗
明治国家より偉大であった変革そのもの
「一君万民」理念の実現
維新の明暗
自力による変革の達成―中津藩下級武士・増田宋太郎の生と死―