図書ゲンダイ ノ ケッカン ト キュウサイ000002772

現代の欠陥と救済

サブタイトル1~10
編著者名
神木 鴎津 著者
出版者
画断社
出版年月
1913年(大正2年)8月
大きさ(縦×横)cm
22×
ページ
16,308p
ISBN
NDC(分類)
159
請求記号
159/Ka37
保管場所
閉架一般
内容注記
和書 史料調査会旧蔵資料
目次

第1章 人生と幸福
人は常に問題を有す
人生の目的とは何ぞ
聖人とは此問題を解決したる人なり
天下の矛盾
釈迦の解釈
老子の解釈
孔子の解釈
基督の解釈
人は自己の幸福の為に働く
肉体の自己と精神の自己
社会的生活の必要
野蛮人も社会的生活を為す
動物類も共同生活を為す
単独生活は果して幸福なりや
幸福は社会組織に因つて広めらる
人生の目的は利他を含める利己的幸福にあり
文明の端緒

第2章 文明発達の経路
文明の定義
片輪なる文明
物質的文明は人を弱くす
文明の源泉
西人東洋の文明を知らず
蒙古の鼠族
梅毒伝播
幾何学の発明
印度文明の発達の経路
釈迦の出現
天然の沃土
支那文明の発達の経路
機械を用ふることを卑しむ
釈教の歓迎
宿命観
日本文明の発達の経路
儒教の復興
西洋文明の発達の経路
希臘の勃興
戦乱の状態
火器の使用
基督教の尊崇
諸大陸の発見
宗教改革
諸機械の発明
科学万能主義
東西両文明は発達の経路異れども目的は同じ
文明の目的は人生の幸福を増す為に起る
東西の接触の初
東洋人の驚愕
諸器物の比較
西洋智識の吸収
舶来品
西洋崇拝
所謂明治の先覚者の云ふ所
外遊者の述懐談
西洋万能の暗示を受く
欧米へ漫遊しない者は識者と云はれない
東洋文明の影響
西洋人は己惚の強い人民なり
ペルリの見た日本人
観光外人の注文
東洋思想の学者も有つたが用ひられない
日本の学者の不見識
東洋文明は西洋文明に征服せられたり

第3章 人生の幸福と西洋文明(上)
損だ得だ主義
西洋人の獣性
巴里の大道怪女の横行
夜の興行物
ピカデイリーの夜景
日本の醜業婦
ポンペイ
希臘の哲学者の内行
羅馬のコロシヤム
西班牙の闘牛
モナコの賭博場
東洋人に対する基督教徒の不道徳
基督教の衰頽
精神上の危機と物質上の弊害
都市集中
紐育の繁昌
シカゴの膨脹
倫敦には十万人の宿無しあり
英国人の八割五分は千六百円以下の収入
英国の大地主五百人
ロスチヤイルド男の逸話
富豪の勢力
貧富の懸隔
各国職工の生計表
同盟罷工の原因
機械の発明は人の職を奪ふ
労働問題
豚肉缶詰
就業の困難
炭坑同盟罷工
自働車強盗の告白
資本家も亦困む
中流人士も亦困む
高等貧民
高等の学校も富裕の専有となる
智を用ふるは国の害なり
老嬢の増加
仏の人口減少
所謂文明国は人口増加律が減じつヽあり
ハクスレー博士の歎辞

第4章 人生の幸福と西洋文明(下)
自主自由の精神
政治上の不平
海外へ移住
濠太利亜の国家社会主義
亜弗利加の割取
米国の共和政治は果して自由なりや
紐育のタマニーホール
婦人の解放
カーライルの細君
ルイゼとノラ
西洋婦人の乱行
夫を有てからならば
姦通承諾の結婚契約書
離婚の裁判
良人を拘留に服さしむ
良人を叱る細君
デージー・ロード事件
処女時代の西洋婦人
婦人の滅亡
米国一富豪の求婚広告
美人を妻とする不幸
美人の智育は虚栄と離婚の口実を教ふるに過ぎず
醜婦の長所
醒めたる女
英国婦人職業の統計
西洋の売笑婦の横行
西洋婦人の理想は実際と甚しく矛盾してゐる
西洋婦人は子供を厄介物にす
子供の不幸の実例
両親の薄情
信仰の悪用
西洋では孝道が欠けてゐる
母の接吻を距絶する息子もある
親は息子夫婦を客人扱にす
父母は一生養つて置けば可い主義
西洋家庭の欠陥
慈善事業の要求
ブラツクハンド
慈善事業の隆盛は称めたことで無い
児童救済事業
人種の反感
西洋人同士の間にも反感あり
英人印度貴族を侮辱す
排日問題

第5章 人生の幸福と東西文明(上)
自由思想の研究
社会は分業で成り立つ
人には自然の階級がある
東洋の国家観
温故知新
知足安分の教
社会主義無政府主義の論駁
朝鮮人の悦び
旧恩を忘れず
古来の歴史には貧賎から身を興した者が多い
運命なり天なり因縁なり
成金の遺言
東洋の道徳観
物実文明は人を幸福ならしめしや
医術上に就て
両手両足を失つた人
人種改良論が盛んになつた
文明の惨酷
交通機関に就て
文明の利器が職を奪ふ
資本家も楽でない
猶太人の生活
物質文明の犠牲は余りに多過ぎる
物質文明が進歩すればする程人は不安を増す
西洋文明が来た為め東洋は不幸となつた
富み且強きもの必ずしも文明にあらず
印度の征服
モグル帝国のデリー、アグラの建築
東印度貿易会社起る
償金二千六百九十余万円の要求
金を取つて送れの命令
文明人の略奪
英帝遂に印度皇帝となる
露西亜人の侵入
一度挙げた国旗は下すな
三国同盟で遼東の還附を逼る
日露戦争で挫折
取れるだけ取れの方針
イーソツプ物語の鳩と鷹
仏蘭西の侵略
メーコン河境界問題
暹羅人の切歯
独逸の膠州湾占領
英の香港九竜の占領
西洋人は弱い国と見れば強奪す
果して孰れが文明なりや
緬甸の占領
宣教師の敗徳
西洋人の言行矛盾
日本の奮起
義勇主義の勝利

第6章 人生の幸福と東西文明(下)
コツホ博士の飼猫説
エリオツト博士の教育説
剣道柔道の復興
日本牛の長所
西洋建築は日本に合はず
大建築物に住む者の苦痛
簡易生活の奨励
都市の美観は外国より掠奪
明治初年の欧化主義
日本主義の鼓吹
紳士の堕落虚栄病の蔓延
日本人の責任
一大覚醒を要する時なり
古来の雇人制度
終生主恩を忘れず
西洋の雇人
下女の情夫
時間定めの不便
西洋風の雇人は果して幸福なりや
日本の警察の名誉
キョ伯玉の逸話
季札剣を掛く
米国の警察の紊乱
西洋の官吏は金銭をねだる
女子教育は女子を不幸にす
虚栄心を増長するのみ
縁が遠くなる
女子教育は日本の国風に反くものが多い
女子教育は家庭の不和を起させ易い
西洋式女子教育の弊害
男は外に女は内に働くことを勧める
恐るべき女子の頽風の実例
西洋の悪風俗に倣ふにも及ぶまい
習慣は恐るべきものなり
肉食の習慣
女子に斯んなことまで教へねばならぬか
日本婦人の贅沢になれる傾向
現今の中流家庭主婦の境遇
現時五六十円の月収の家庭
貧民の生活状態
女子の内職
貧民となれる原因調べ
東京の職業紹介所
東京の自殺者の統計
日本の青年を救ふと云つて来た外国人
エスキモーの酒、西蔵の鎖国、支那の阿片
西洋の予言者
神聖業の取締
文明人の煩悶
窮すれば濫す
如何にして此苦境を救ふべき

第7章 文明の弊害救治策
知足の者は幸福なり
鎖国主義は不可能
外国と戦つて負けぬことが肝要
東洋魂西洋才主義
風俗を動かすものは政治、教育、宗教、芸術なり
政治の感化は割合に弱い
教育の感化は余り多くない
学校の智識は社会に立つ準備に過ぎない
日清日露の戦捷は今の教育の力ではない
宗教の感化は有力である
日本は天子より諸民まで仏教徒であつた
徳川氏末より信教が乱れた
信教の自由
宗教と教育の分離
今日は宗教を勧めることが出来なくなつた
如何にして古は国民教育を為せしか
芸術の感化は意外の力がある
理想的芸術
古来の芸術は道徳を重んじた
芸術を以て風俗を善良にすることを主張す
芸術とは何ぞや
芸術の内容
芸術の鑑識は向上するものなり
鑑賞の標準の相違
西洋の芸術観
裸体の描写
花より団子主義
東洋の芸術観
芸術の目的は雅ならざる可からず
芸術に高下あるを教ふ
昔の人の不品行は自ら其過てることを知れり
東西芸術観の比較
西洋芸術主義の影響
西洋文芸は国風を堕落する言行を教唆す
本能主義、享楽主義の勃興
演劇の変遷
活動写真の繁昌
西洋の弊風を伝ふ
国民性を酖毒する国家の罪人
鑑賞の標準を定むるは国家の急務
人類の幸福の為め高雅主義芸術の推奨
西洋の煩悶を救済する恰好の報酬
吾人は如何に此殊玉を忘れたるか
芸術の堕落より来る現代の悪弊
開国当時の先輩の無定見
高雅主義の奨励は日本人の義務なり
結論
第8章 要結