鹿児島百年 下
序文(椋鳩十、鮫島志芽太)
第1章 大正政変
上原陸相の帷幄上奏
鹿児島座で護憲大会
“長州閥は大正の藤原”
「王座を胸壁・詔勅は弾丸」
新聞社焼きうち
権兵衛さっそう登場
薩摩の三羽ガラス
軍部大臣現役制廃す
薩長抗争ぶり返す?
第2章 デモクラシー
満ち始めた活気
苛税反対キャンペーン
専売職員リンチ事件
五十七人を集団検挙
シーメンス事件発覚
「けしからぬおたずね」
尾崎をにらみ返す
長谷場、国政壇上の死
庶民の貧しさは続く
第3章 海外に泣く
米国の排日土地法
成功者・アメリカどん
南米移民は“棄民”
生地獄・ミナス金山
屋久娘を集団誘かい
南洋の日本人慰安婦
娘一人・三百五十円
第4章 桜島・大爆発
前兆しきり、地震瀕発
「震源地は吉野地方」
キノコ雲にバンザイ
避難船も待ちきれず
猛烈な火石の雨
助け求めいななく馬
取り残された黒神部落
軽石群の海上に孤立
機転のイカダで救出
六時三十分、大裂震
第5章 霊峰消えず
四十五連隊の出動
官民一体の救援
大森博士、鹿児島へ
瀬戸海峡は埋まった
銀座で熔岩を売る
測候所の責任論争
島民六千人は移住
執念の“天地返し”
移住地での苦難
百三十年後の社会は
第6章 第一次世界大戦
和田少佐、青島空襲
ヤンソン家の悲しみ
カナダ義勇軍の県人
Uボートに撃沈さる
シベリヤ出兵
尼港事件の犠牲者
第7章 ゆらぐ政界
対支21条に警告
鹿児島は政友会王国
米騒動に備える!!
米価調節会の活躍
廉売米も買えぬ民
宮中某重大事件
ご決定には変更なし
第8章 膨張する経済
ヌレ手にアワの黒糖
風雲児・松方幸次郎
船成金と“イートン校”
山形屋デパート出現
鹿児島紡績・薩摩製糸
“ツムギ半反”の役人
「炭酸カリなら作れる」
第9章 電力おこる
草分けは「鹿児島電気」
木炭利用の火力発電
鹿児島市に電車誕生
反対運動で路線変更
天文館栄え、馬車すたる
第10章 陸路の発達
伸びゆく鉄道線路
客寄せに“宝さがし”
佐多村の“禅海”和尚
各地で自動車営業
試験官に操従を教える
自動車組合で円タク
人力車、斜陽の悲しみ
第11章 鹿児島港開く
海上交通の全盛期
“米拾い女”と“沖仲仕”
骨粉会社は大繁昌
「予算は私が寄付する」
船会社、必死の競争
第12章 ブームは去る
大島ツムギ投げ売り
成金・松永の転落劇
公設市場にぎわう
物価高にあえぐ農村
激増する「カゴの鳥」
女工募集人の甘言
青春すりへらし送金
泣こよっか、はっちけ
“興安嶺より見渡せば”
売られ、密航船で餓死
第13章 大正文化
「県教育界」の活躍
中等・実業教育すすむ
遠泳・遠行は花ざかり
七高野球部に黄金時代
「武夫原頭にクソたれて」
映画館もぞくぞく
大正文化は大衆文化
「汽船心中・海底の藻屑」
「国勢調査は事おもし」
電話、市役所で日に百回
第14章 大空は招く
県下初の飛行機大会
「十有数分にして十五マイル」
鳥人スミスの宙返り
都城飛行大会の惨事
パイロットは小川
本田飛行学校の開校
飛行士は何を食うのか
安昌男の数寄な人生
「鹿児島は国際空港だ」
夢はイケニエを求む
開かぬパラシュート
第15章 人権
学園ストライキ
良妻教育の社会背景
県立病院看護婦スト
正副婦長ら16人クビ
前借に泣く娼妓酌婦
公娼廃止運動おこる
沖之村の一斉手入れ
串木野金山の鉱害
士族平民争いで殺人
第16章 人民解放の旗
賃上げとストライキ
鹿児島市に合同労組
県下で初のメーデー
燃え上がる農民運動
姶良郡の小作争議
小作料不納には差押え
有島・木脇らの農地解放
第17章 災厄無情
スペインカゼ大流行
天然痘防止に神頼み
種痘を海水で洗う
花岡村村長の辞職事件
コレラには梅干しを
サナトリウム海浜院
海難もしきり
関東大震災余聞
デマは県下にも流れた
国民を思う権兵衛
第18章 不況のあらし
銀行がつぶれるぞ
ゼニ戻せ
十五銀行の休業続く
私財投げ出した松方公
倒産ぞくぞく
削られた給料
日給五銭二厘の新兵
第19章 ストライキ
首切り反対
まさかうちの子が
女闘士が登場
大日本紡績の争議
鹿児島電気軌道の争議
沖之村のストライキ
第20章 普選実施さる
三区制を実施
飛んだ知事の首
警官の首実験
警官の野党監視隊
富吉には弁士中止
第21章 弾圧のあらし
共産党浮上す
留置された新名夫妻
七高出身左傾の人
武装メーデーと佐野博
七高を中退した“徳球”
非転向の黒木重徳
自殺した岩倉靖子
検挙された富吉栄二
国禁の書と片浦事件
家出した勝目テル
おなめらの抵抗
第22章 火をふいた満州大陸
四十五連隊、済南へ
随行した青木父子
戦死者は貧しかった
陸軍の桜会
一億円の豪遊
張学良の金庫から
笑い流した床次
正寿丸で出発
雪の進軍氷を踏んで
下村発言と戦友愛
四十五連隊の戦死者
第23章 満州へ
満州野外作業隊
あとを引き継いだ今村
青少年義勇軍
山本実彦の印象
鹿児島村づくり
満州就職で詐欺
第24章 飢える人
身売り相つぐ
里子殺し
天文館の映画争議
農村の失対事業
知事官舎に強盗
抜かれた天の逆鉾
かわいた土
第25章 右翼テロ
七高敬天会グループ
血盟団四元らの誤算
池松と五・一五事件
山本権兵衛も目標の一人
二・二六事件と迫水
丹生と池田
岡田首相の脱出作戦
車を入れろ!
まさか彼らがねえ
第26章 軍国の教育
大島高女の廃校
移転した純心高女
迫害は大本教へも
そこに教会があるからだ
配属将校たち
健児団スタート
鹿実のストライキ
軍人志望者の養成
第27章 交通・放送・行幸
丸ゴムタイヤで
五十銭タクシー
城山道路問題
放送実演大会
喜代三の“唐人お吉”
島津雨じゃ
尊さに胸躍る
隼人の大演習
寒中水泳じゃろかい
第28章 シナ事変
島津久大の体験
通州邦人虐殺事件
三十六旅団出動
工魂橋と命名
杭州湾の上陸
浜島部隊長の戦死
牛島どんのクソ度胸
苦戦した市川部隊
のませなかった水
特派員の記事
軍国の妻
第29章 和平工作と町田手記
南京虐殺事件がかべ
汪兆銘と門松少佐
暗殺隊の目をさけて
町田部隊長手記陣中片々
替え歌「宮さん節」
ある老媼の死
第30章 広がる戦線
敵飛行場へ着陸
H2Oの水たき
田中中隊長の手紙
感状のかげに
陣中新聞
川上特務兵と愛馬
宜撫の人たち
鈴木少佐と白浜中佐
陣中慰問隊
ノモンハンの譜久村隊
撃墜王吉山と花田
第31章 銃後さまざま
ねらわれた西郷銅像
生めよふやせよ
慰問袋
軍国ばあさん
肝付水害
防空演習
ユーゲント来鹿
神に捧げた歌百首
戦時下の六月灯
海洋少年団
カルカンにも税金
紀元二千六百年
隣り組と報国隊
ケソン号事件
第32章 子どもの心
兄さんはえらかった
帰って来た遺骨
泣いたお母さん
赤い紙
靖国の子ら
慰問文
第33章 社会面ニュース
霧島丸の遭難
吉田村議会乱闘事件
高利貸し殺し
東郷元帥死す
ああ須田訓導
第34章 真珠湾と軍神
東郷茂徳の回顧
真珠湾と錦江湾
ハルノート
九軍神と横山
ヤシの実の似顔
中馬はシドニーへ
第35章 死闘・玉砕
制空権失なう
第六師団ブ島へ
五倍の米兵力
有馬中将の個人特攻
百四十五連隊と硫黄島
第36章 沖縄戦と特攻
牛島司令官の意見書
特攻武剋隊
桜かざして
天の岩戸司令部
牛島司令官の自刃
人間魚雷
大和沈む
石塚軍医長と新妻
特攻基地由来
第37章 疎開・空襲
学童の疎開
沈んだ「対島丸」
配給と竹ヤリと
元日の朝のB29
吹きとんだ肉体
第38章 玉音流る
東郷茂徳の分析
天皇、東郷論を支持
終戦詔勅と迫水
平和の重さ
参考文献・年表