精神修養の栞若キ海兵ノ母
先ヅ基礎ヲ鞏固ニセヨ
心ノ鏡ヲ曇ラスナ
心ノ鏡ノ保有法
心ノ鏡ヲ活用セヨ
船暈シタトキ
誘惑ノ手ガ掛ツタトキ
善キ友ニ非ラザレバ友トスルナ
善イ下宿ヲ選ベ
人格ノ修養ニ努メヨ
算術ハ単ニ数理ノミノ学問デハナイ
不動ノ姿勢ノ意義ヲ自覚セヨ
速足ノ訓練ハ単ニ歩キ方ヲ上手ニスルノミデハナイ
被服洗濯ヲ行ル毎ニ精神ノ洗濯トナセ
軍歌ヲ歌フ時ハ克ク其ノ歌詞ノ精神ヲ味ヘ
入浴スル毎ニ心ノ垢ヲ洗ヒ落セ
如何ニシテ軍人精神ヲ培養スルカ
戦闘教練
夜間射撃
羅針儀ト操柁
見張訓練
短艇撓漕
強行軍
「シングルブロツク」ト「ダブルブロツク」
艦内点検
被服点検
初夜巡検
曳船作業
敬礼ノ最モ重ンズベキ事ヲ自覚セヨ
水車ノ運転ヨリ観タル敬礼関係
時計ノ作動ヨリ観タル敬礼関係
天真ナル敬礼ガ肝要
敬礼ヲシテ自己ノ人格ヲ高メコソスレ決シテ下ルモノデハナイ
敬礼毎ニ自己ヲ反省セヨ
我々ハ常ニ君カ代ニ対スル敬礼精神ガ欲シイ
敬礼ニ慣レテモ敬礼ニ狎レルナ
受礼者ニ接シテカラ帽ヲ直シタリ顔ヲ掻タリスルナ
敬礼ヲ励行サセルノ捷途ハ先キニ立ツ人先ヅ行ルニ限ル
正義ノ為ニハ身命ヲ惜ムナ
言心行ノ強力ナル鏈鎖ガ必要
信用出来ザル「宜シイ」ノ一言デ遂ニ小蒸汽一隻目茶苦茶
軍人ガ若シモ信義ヲ欠イタナラ
三昔モ以前ノ私交上ノ話
軍艦ノ「グレイチング」一枚デアハヤ衝突ノ厄ニ遭ハントシタ
事実ノ伴ハザル「宜シイ」ノ一言遂ニ短艇ヲ破壊シ運転ノ自由ヲモ欠ク
下手ナ約束我身ヲ痛ム
真ノ軍人ハ身モ心モ口ヲモ飾ラナイ
金ト名誉ノ両天秤ハムヅカシイ
髪ノ毛ヲ長クスルノハ何ノ為カ
特ニ目ニ立ツハデヤカナ帰省用意
質素ナ制服ニ華美ナ私服
金側時計ト敷島
武士ハ食ハネド高楊枝
職ニ忠実ナル者ニハ天之ニ酬フ
仕事ヲ嫌ヘバ進級モ逃ゲル
夏ハ日蔭冬ハ日向ト逃ゲ廻ルナ
上陸用意ノ喇叭ト総員印判用意ノ号令
忠実ナル目ヨリ見レバ職務ニ軽重貴賎ハナイ
物ノ愛護之レ皆忠実ノ発露
忠実無比誠ニ見上ゲタ「コツク」
真ニ忠実ナルモノハ部外者ノ目ヲモ引ク
忠実ナル者ハスキナ一プクモ忘レテ居ル
職ニ忠実ナル者ハ己ヲ愛スルモノナリ
自覚ナキ者ハ御シ難シ
軍隊デ自覚ナイ程怖イモノハ無イ
石ノ塀ヨリ心ノ塀
自覚ナケレバ不平不満ガ絶ヘナイ
願ヒ暇ハ身ヲ削ルモ同様
好キナモノ概ネ致命ノ因ヲ為ス
艦長ニ一番目立ツ見張リノ勤務
我々ハ犠牲的精神ガ無ケレバ零デアル
何ヨリ強キ愛ノ力
愛ノ強弩ニ満ヲ引テ公事ニ当レ
純ナル愛ノ迸リハ病菌モ裸足デ逃ゲル
愛ノ熱量氷モ解カシ人ヲモ蘇生セシム
虎ノ猛威モ愛ノ威力ニ怯ム
上官ノ愛ノ叱リヲ仇ニ思フナ
責任観念薄キ者程不安ナルモノハナイ
不断ノ注意ト修養
一ツノ信号十時間目的達シテ休業トナル
責任観念ヲ窺フニ足ル当直交代
責任観念ノ強イ者ハ一見無愛嬌ニ見ユル事ガアル
責任ノ為一命ヲモ犠牲ニ供ス
服従心ナキ部下ハ横ニ車ヲ曳クガ如シ
上官ノ使ヒ易イ部下トナレ
自己ノ特長ヲ鼻ニ掛ケルナ
服従ニハ旋毛曲リガ大ノ禁物
印象深キ「御無理御尤」ノ教訓
人ヲ見テ法ヲ解ケ
中心ヲ失フ勿レ
千金ニ優ル即念即行ノ慣習
注意ト粘着ノ力
静粛ト迅速確実トハ軍隊ノ代名詞
蛙ノ冬篭リニ習ハズ常ニ一歩進ンダ研究ガ必要
一日ヲ短ク暮ス自得ガ肝要
上村将軍ト油断大敵
勤メ所ト塞翁ガ馬
自ラ痩ル食ハズ嫌ノダラウ主義
弱味ヲ持ツテハ頭ガ上ラヌ
立ツ鳥跡ヲ濁スナ
君ト僕トノ使ヒ分ケガ大切
頚ニ「ハンケチ」銜ヘ煙草
旋風ヨリ怖イ満期風