戦史を破る
序文 前例なき苛酷(重光葵)
序文 アジアの抗議(笹川良一)
第1章 基礎的問題
正義の裁判か
否
否
勝者が復讐の刑場と疑う
如何なる法律、如何なる権利で、戦勝連合国は、満洲事変にまで遡及して、これを裁かんとするか
勝者も亦、裁かれて然るべきである
第2章 犯罪の探究
英国は、アジア植民地確保の為に、自らの判断による、自衛戦の正当性を、当然の権利として留保した
有色被圧迫民族が泣いていても、既得権益擁護の手段は正当なる自衛権、国家主権の発動として容認する
噫、正義と人道、いづこにありや?
第3章 侵略戦解剖
奇怪なるソ連の参戦!! 原爆下、臨終の日本に、不可浸条約を蹂〓して、攻撃を加えたソ連の不法を、尚自衛
第4章 証拠の採否
弁護人申請の証拠は、殆んど却下されたが、検事のそれは、殆んど採用された
原田日記
木戸日記
―出たらめ日記
こんなものに、真実を求めることは、軽業師の冒険よりも危険である
第5章 事実の発見
張作霖殺害の真犯人は、果して関東軍であろうか
リツトン報告書は、永遠の謎と断じている
そして検察側と正反対の内容を記している
元少将田中隆吉は、御用証人業者
その陳述は“不思議”の連続である
第6章 共同謀議論
偽瞞の手法を、日本に教えた者は、先進西欧諸国ではあるまいか
日本全権の、人種平等の正論は、米英が葬り去つた
日本は、いとも忠実なる模倣者として、西欧諸国の歩んだ道を、一歩の狂いなく歩んだのである
第7章 日独伊同盟
日、独、伊、三国は………世界の孤児であつた
共通の環境は、共同の敵に、協力対抗すべき必然の運命に支配されたのである
第8章 破局への道
米国は、日本の暗号電報を傍受解読した
故意か、偶然か、その解読文字は、日本の真意を全く正反対に描写した
それが、両者の信頼を破つた
太平洋の悲劇は………電文解読者のペンに依つて、演出されたとさえ言える
第9章 結論
正義の女神は、過去の賞罰の多くに、その所を変えることを要求するであろう