軍事救護法ト武藤山治
上編
第1章 久遠不滅の偉業
政争問題中止の提唱
板垣伯の先唱反響微なり
時運遂に先生の発動を促す
重患静臥中の奮起
第2章 実現運動の第一蹤
先生自ら草案を提示さる
橋爪氏免役税を発案す
社会主義者に対する正義の温情
超世的責任感の一観察
国宝的名画の高潔なる処置
驚くべき責任観念の閃きの一証
ミリタリズムの排撃
山県老公遂に先生を招請す
第7章 議会へ提出の準備工作(三六議会)
政界極めて多事多難
大隈首相の無関心
先づ建議案提出に決す
先生の激励で準備漸く成る
第8章 紛擾中にも流石に建議案は通過す
乱闘乱舞の衆議院
林代議士提案理由説明
政府に起案調査を迫る
軍備充実の犠牲
武藤調査所の参考資料提供
待遇不公平と軍人精神
遂に陸軍を同意せしむ
全会一致で委員会通過
本会議もすらすら通過す
貴族院では遂に審議未了
第9章 愈々法律案として提出(三七議会)
兵役税も合流
兵役税法案の説明
救護法の説明
両案の関係を明白にす
厄介な道連れ
第10章 委員会の三大思潮衝突
陸軍の伝統的兵役観念
委員側の弁駁論拠
大蔵当局の兵役税意見
思潮の乖離で行詰る
政治的解決に歩を進む
第11章 波瀾重畳の委員会
陰晴去来常ならず
陸軍の態度豹変
陸軍の態度を猛撃す
政府委員の同士曝露戦
小委員会に成案せしむ
第12章 特別委員会の終幕
武藤先生案を参考に修正
大蔵当局の所見
望月氏最後の賛成演説
第13章 愈々衆議院を通過す
矢島委員長の報告
樋口氏棹尾の熱弁
小橋氏陸軍の不誠意を難詰
陸軍の弁明と本会議通過
貴族院再び審議未了
第14章政府愈々起案に著手
寺内内閣組織さる
貴族院の難関に突入
後藤男の一喝
後藤男の一大勇断
第15章 政府案特別議会に提出(三九議会)
後藤内務大臣の説明
大島陸相後藤内相に対し樋口氏の感謝演説
権利剥奪条項の可否
田辺委員長癈兵院改善を迫る
林毅陸氏再び所見を述ぶ
人生はあざなへる縄
下士卒給与増加の必要
翫味すべき後藤男の答弁
第16章 先生の大慈悲心酬いらる
衆議院全会一致通過
貴族院も亦超速度で可決
狂奔の志士今や亡し
下編
第17章 救護施設拡充運動
同志会時代の奮闘
兵役義務者及癈兵待遇審議会
答申案の具現の進行
筆力に依つて政府督励
一時賜金癈兵の蘇生