井伊大老と桜田事変
1 井伊直弼大老となる
氷下に春を待つ直弼
待てば海路の日和
直弼と伊賀守の提携
主客膝を交へて密談
井伊邸の時ならぬ騒ぎ
就職早々辞職を説く
直弼の独断的専制政治の始り
一命を抛つて御奉公
2 長野主膳の人物
世を欺く彼の前身
流浪の旅人主膳
主膳に与へられた二百両
角屋が取持つ主膳とお滝の恋
謎の女加寿江
二つの心と心
再び上洛する主膳
流浪人から扶持生活へ
主膳の胸底
歌物語の夜
主膳遂ひに決心す
三夕徹宵の談合
3 切迫した両問題と直弼
譜代大名の魂は腐つてゐる
ハリス将軍謁見を主張す
正睦の上京と幕府の失墜
直弼専横の皮切り
直弼の専断に幕閣の更迭
互に秘策を尽す直弼と伊賀
議論粉糾の中に調印は終る
開国調印に対する直弼の態度
責任は直弼にあり
直弼呶鳴りつけられる
4 押掛登城と三家幽屏
直弼慶永の手を振切て登城
三家三卿の押掛登城
松の廊下の大激論
六之丞よ生きて帰つたぞ
別製煉ようくん(養君)
漸く事急となる
水戸藩士続々江戸に集る
5 密勅降下と水戸藩
御学問所に於ける会議
勅諚水戸家に降る
西郷再び京阪に出発す
天下の志士京都に集る
下谷料亭に送別の酒宴
内勅降下と両派の猛運動
勅諚水戸邸に到着す
直弼勅諚回達を止める
6 直弼斬除の計画
琉球節と西郷の裸体踊り
流言区々人心恟々
志士梅川従容として縛につく
西郷月照と共に虎口を逃る
主膳等志士捕縛の密議
愈々捕吏の手は廻る
梅川白洲で勤王の大義を説く
松陰再び獄舎に繋がる
京囚江戸に分送せらる
雪中白洲に於ける拷問
一女性の誠忠天聴に達す
信海伝馬町の獄舎に死す
西郷月照と共に入水す
薩藩志士の猛運動
再度の大発高橋の功労
吉田松陰江戸の獄に下る
水戸両邸の大騒動
斉昭水戸へ永蟄居となる
7 志士の覚悟と桜田遭遇戦
「ヤア失敗つた」「それは大変」
俄か阿呆を装ふ川崎
薩藩志士の動揺
勅諚返納の議起る
水戸藩内鼎沸の如き騒擾
今や志士の準備進む
水薩志士交換の覚書
水戸城下に於ける乱闘
其様に皆に泣かれては
同士続々と江戸に集合
孫二郎強盗と見誤られる
作戦計画いよいよ定る
恋々と退職を肯へぬ直弼
おゝ吉兆々々是天我の忠を祐く
オイオイ僕は褌を忘れた
雪の愛宕山を下る烈士の群
敵将いよいよ来る
雪中の大混乱戦
遂に直弼の首を上る
烈士の引揚げ(大団円)
1 高橋多一郎
そも何人ぞ高橋多一郎
主従洗雪の建言
宛然劇中の光景
遂に蟄居を命ぜらる
義挙の首唱者
覚悟の遺書
2 高橋庄左衛門
哀れ烈士中の花
高橋父子の最後
3 金子孫二郎
宛然大石良雄
拘禁とその前後
父様いづこへ
江戸密行の苦難
4 斎藤監物
義挙の副首領
雪寃運動と陳情書
義挙の前
5 関鉄之助
人懐こい鉄さん
再蟄居とその前後
碑銘を読む商人
6 有村次左衛門
烈士中唯一の薩藩士
試斬の相手は千葉周作