世界の平和を謀る井伊大老とハリス
1 井伊大老の誕辰
大老は生れて鉄と命名せらる
2 井伊家は南朝忠臣以来勤王に終始した家
井伊道政高顕宗良親王を井伊谷城に奉ず
宗良親王のお祭と藩主の参拝
直憲宗良親王を祀る井伊谷宮を創立
3 直政直孝の戦法
井伊赤鬼の向ふ所敵を粉砕す
4 直中の国学新興
本居派の国学を興し学館にて教授す
5 直中御所御守護の為に小手分組創設
御守護の常備軍二組を特に新設編成す
6 井伊家は七人が八ケ度御上使参内を勤仕す
井伊家は皇室に接近して崇敬の念を増す
7 直弼の性行
徹底した研究ぶり
8 直弼の国学
広く深く国典を渉猟す
9 直弼の勤王由来と其行為
勤王の信念深し
天守閣より御所遥拝
禁裡御守護隊の増設
公然御所御守護の命令
御所炎上に付御守護と御見舞
禁裡御守護隊の発動
御所へ献上のかずかずと御下賜品
山陵修覆の議を採用す
大老は家臣の監視を大久保忠寛に依頼す
10 孝朗天皇と彦根城
主上は彦根城へ御避難の御準備二ケ度
11直弼と長野義言への内勅
彦根は其心得、義言も承知、陪々臣義言へ御下賜品
12 孝明天皇は忝くも直弼の精神のある所を認め給ふ
天皇と毛利慶親の御夢想俳諧三ツ物
13 皇室は一視同仁御宏量天の如し
直憲の大命奉仕と献上
直憲へ有棲川一品宮の御息女〓宮御降嫁
14 井伊家の国防上相州と堺の海岸警衛
相州の海岸警衛と洋式青銅砲製作
泉州堺の警衛と桔梗型砲台に改築
15 直弼の開国説
直弼は早くに外国事情に通ず
直弼は幕府へ海外へ進出と貿易説を進言す
16 直弼西洋鉄砲組と砲銃製作所を創設す
砲術家の養成
洋式大砲鋳造を始む
西洋流大筒組編成
西洋流鉄砲組編成
火薬の改良製造
鉄砲製作所創設
地雷火水雷火の製作
剣術師範家を増す
槍術薙刀術師範家を増す
弓術師範家を増す
居合術師範家を増す
馬術役を増す
17 水戸斉昭の尊王と攘夷
我国を奪ふから攘夷
内心は非戦論平和
斉昭琵琶献上の奏文中に攘夷を含む
攘夷密奏
基督教に対する考察の相違
水戸家の勤王
斉昭の尊王精神
攘夷を決行したる損害
18 米国惣領事ハリス来り通商条約締結
ハリス十八ケ月下田窮居と慰安
下田窮居の感想と希望
通商条約上ハリスの好意と其破壊
米国はハリスの聡明と忍耐を賞讃す
書記官フユースケンの殺された時ハリスの公明な声明
19 世界を平和に導く鍵を司る井伊大老
国体擁護の勅諚降下と当時の輿論
直弼大老就職と悲愴な覚悟
大老は国論統一公武合体を謀る
大老は朝旨を遵奉し国家の平安を謀る
ハリス幕府へ英仏の掩来を告ぐ
調印可否に付大評定が開かる
勅諚重きも条約調印を断行して国難を救ふ
大老の調印断行の真意
大老は開国の月桂冠を受く
鎖国猶予の勅諚降り貿易行はる
大老横浜港を開く
横浜の貿易好況
大老京都西陣の織屋を救済す
大老は兵庫開港を認む
大老夙に海軍創設を主張す
幕府夙に海軍伝習所を創設す
大老兼ての主張に基き条約交換の為に使節を米国に派遣す
勝麟太郎咸臨丸の艦長となり太平洋を横断す
使節の人撰と外交文は国家本位
使節の米国にての行動
外交は進展するに攘夷熱醒めず
恐多くも孝明天皇の御周囲は攘夷家
孝明天皇は御英明御善道に在らせられ攘夷家に悩され給ふ
孝明天皇は攘夷を無法の処置と思召す
孝明天皇は関東へ御委任の思召
通商条約の勅許と一橋慶喜の尽力
通商条約につき九条関白の功績
大老は国家平和の犠牲となる覚悟
大老桜田門外に犠牲の血を流す
大老横死後に幕府の取扱
水戸斉昭大老の横死を悼む
安政大獄の評
一橋慶喜の公正な安政大獄評
国法違犯者を義士と呼ぶは風教を害す
大老果して悪逆の人か
米国博物館の大老木像と横浜の大老銅像
勤王と開国親和抱合す
世界的偉人を彦根が生む