勝海舟
1 勝家の家系と海舟先生の血統
日本立志篇中の英雄男谷検校
金力能門閥の城壁を突破す
徳川時代の養子制度
男谷の勝家併合
天禀豪傑肌の剣客勝小吉
父の座敷牢幽閉中に産聲をあげたる幕末の英雄児勝麟太郎
霊活の力なき太平の武術
小吉翁就職運動の失敗
閑居不善をなす下級武士の生活
腥さ坊主喜選院と小吉翁
麟太郎と将軍世子初之丞様
小吉翁刀を抜いて負傷せる愛児を叱咤す
海舟先生失脚清雲の嘆
2 海舟先生の少年時代
子の児や凡々たる瓦石にして終らじ
至孝にして至悌
二十歳武技既に群を抜く
禅を学んで大に膽力を養う
初めて西洋兵学に志す
箕作玩甫と海舟先生
長井青涯と海舟先生
萬苦と闘いつつ蘭学を修める
志士高野長英私かに海舟先生を訪ふ
隠れたる北海の義商渋田利右衛門
3 西洋兵学家としての海舟先生
兵術革新の機運
佐久間象山と海舟先生
幕末の三兵学校
海軍操練所の創設
勝先生の名天下に轟く
幕府最初の軍艦
4 長崎練習所時代の海舟先生
蛟龍雲雨を得て池中のものにあらず
露國軍艦の難波=機会を利用して初めて西洋の事情を知る
幕命により江戸に於いて蘭式訓練を試む
大膽なる練習生の独力航海=初めて海上の危険を味わう
危難中の一笑話
海舟先生と横井小楠
練習船に搭乗して鹿児島湾に訪う
島津斉彬公と海舟先生
幕府対島津家の暗闇
伊井内閣の軍事政策
帰東海上の遭難
開國最初の海外使節
百餘噸の帆船を以って太平洋を横断す
初見参の米大陸
日本海軍軍人の豪膽世界一週を企つ
滞外中の政変=伊井掃部頭の暗殺
六大艦隊建設の理想
島津久光の革政案=宮武周旋論
松平春嶽侯と海舟先生
5 海軍防備計画
坂本龍馬と海舟先生
山内容堂侯と海舟先生
将軍家茂公の攝州近海巡視=鎖港攘夷論の勃興
兵庫海軍練習所
将軍の親任
下関砲撃事件の調停
従五位下勝安房守物部義芳
京師蛤御門の変
西郷吉之助と勝麟太郎=両雄最初の会見
6 幕府の長州征討計画
無謀なる長州征伐
将軍家重の薨去=慶喜公推戴
幕府財政の窮乏
幕府媾和談判委員
単身危地に臨む
7 同
媾和使としての手腕
英蘭海軍教師の解雇
8 将軍政権返上の議=幕府瓦解の前提
官軍の討幕計画
幕府の対朝廷態度
将軍の恭順謹慎決意=勝安房の建言
幕兵の騒擾
9 江戸開城の顛末
快傑山岡鉄太郎
官軍の江戸包囲攻撃
勝西郷両雄の襟度=江戸百万の生霊を救う
江戸開城の条件
大久保一翁と海舟先生
慶喜公の嘆息
江戸嬢の授受=老西郷の高鼾聲
開城後の江戸
旧幕府軍艦の逃走=榎本武揚
同陸軍諸兵の激昂=彰義隊
上野戦争=幕府最後の吊戦
慶喜公の駿府引上げ