実物資料ノート「アルセンチュウノキロク」 資料番号:K10-03455

ノート「ある戦中の記録」

形態
その他
計測値(高さ、縦)mm
250
計測値(幅、横)mm
180
時代区分
昭和17年から昭和21年
公開コメント
ノート「ある戦中の記録」
 東京都の男性が戦後のくらしを記したノート。妻が食糧調達のために、夫の衣類と交換したことが記されている。
昭和21年(1946)頃
特記事項1
たけのこ生活 はかまをはいて行きたいことがあって、出してくれというと妻君が、はかまなんかありませんという。あのセルのはかまがない?どうしたんだと詰問すると、妻君は妻君でムッとした顔つきで、あんなもの、とっくの昔にありやしません。みんなとっくに私たちのお腹の中にはいっちゃいましたよ。今日までいったい私たちは、何で食べて来たとあなたは思うのですか。と逆に詰問する口調でいう。 自分のはかまもなくなり、羽織もなくなり、■物もなくなり、もと〱乏しい妻君の衣類は一層数が減ったかも知れない。 それらの品々が質屋の門をくぐったか、古着屋の手に渡ったか、田舎から荷車を引いて来るこすからい百姓と物々交換したかは知らぬが、ともあれタケノコ生活をしないことには、生きて行くための食糧も手に入らない。平和になれば、明日から平穏で無事幸福な生活が還って来るように思ったが、それは飛んでもない妄信であり錯覚であった。戦いは止み、平和は蘇ったというが、その戦後には、戦中に数十倍する荒廃と窮乏と飢餓の暗黒の生活が残った。(略)
備考
滝野川区(現・北区)
デジタルアーカイブ
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